ギャプランTR-5「フライルー」(ティターンズ試作型MS)
     ORX-005 TR-5
●機体について
 オーガスタ研究所で開発された「ORX-005 ギャプラン」を素体に、スペック強化や追加武装を施した機体。それが本機「TR-5[フライルー]」。元々ギャプランの素体ともなった機体「TR-5」に、T3部隊(Titans Test Time…要は試作機試験部隊)が運用した機体のデータを元に開発された各種装備を追加した姿がこれ。

 本来はこの形態に更に推力強化パーツを装備し、単独で大気圏突入も可能な「TR-5[ファイバー]」として運用するのだが、大気圏内での運用性があまりにも劣悪なのでもっぱらこの形態で稼働する。そのコンセプトは「地上、空中、宇宙等全ての領域において戦場を支配できる圧倒的な戦闘能力を持ち、可変機としてあらゆる条件下で常に最高のポテンシャルを発揮できる機体」というムチャクチャなもの。その為、本機に与えられたカテゴリーも「領域『支配』モビルアーマー」というものであり、一機で戦況を変え得るほどの能力を有する凄まじい機体だった(ちょうど一年戦争時にジオン軍が開発したMA「ビグ・ザム」のような)。

 時既に遅くティターンズが壊滅したのは周知の事実であるが、主にT3部隊のエースパイロット「ウェス・マーフィー」大尉により運用された本機はコンペイトウ(ソロモン)防衛戦等に参戦。緊急で戦線に配備されることになったT3部隊(戦線参加後は「マーフィー小隊」と呼称)の、そしてティターンズの要として「領域支配MA」の額面通りの活躍を見せている。通称「ギャプダム」(笑)。なお、肝心のプラモデルはHGUCシリーズで発売されているもの。
(解説&撮影:八十八舞太郎)

●主な登場作品

 機動戦士ガンダム アドバンス・オブ・ゼータ

●八十八所員より

 元キットのギャプランでは付いていなかった、肩の黄色部分や腕の赤いポイントは完全にシール化されたのが嬉しいところ。あそこをマーカーで塗るのは面倒ですからね。
 だから早くギャプランをマスターグレード化してよぉ…。

▼ギャラリー
REAR
 「これ本当にギャプラン?」と思えるほどの過剰な装備。リアアーマーには折りたたみ式のサブアームが装備されていて、後述のロングライフルをホールドすることが可能。
武装
 武装はギャプランのものに加え、新たにヒートブレード付きのロング・ブレード・ライフルが追加
ロングライフル
 ロングライフルは通常の運用に加え、基部のみのビーム・ピストルとしても運用可能。余ったブレード部分はこのように近接格闘用兵器として使用される…のでしょうか?
 余談ですが、当然元キットのギャプランのパーツも丸々入っているので、手順を無視して組み立てれば、紺&黄の「ティターンズカラーな」ギャプランにすることも出来ます。
 どうも緑一色のギャプランって、「ティターンズの機体」ってイメージが薄いんですよね。それは黄+緑のみの「アッシマー」についても言えますが。
突撃!!
 肩に追加装備されたマウントラッチは、ロングライフルをホールドすることが可能。もう片方は完全なサブスラスターとして機能する。
 因みにこの追加ショルダーユニットは位置の付け替えが自在なので、左右どちらにも自由に装備することが可能(写真では右肩にホールドユニット、左肩にサブスラスターとしていますが)
フル装備
 そりゃあ「領域支配MA」と言われても仕方がないような異様。でも一番異様なのは脚の「ウサギさんマーク(T3部隊部隊章)」じゃないかと…。
 先のシールの件とかしっかりしているのに、何故かサーベルだけは相変わらずプラスチックの一色成型なので、ジャンクから適当に引っ張り出して使用。
美しいお顔
 ちょっと珍しく顔アップ。近づかないと見えませんが、アンテナの後ろにはしっかりとガンダムのような「デュアルセンサー」が付いている。
 でもその下にはしっかりギャプランのモノアイがあるんですよね。奥に隠れて見えませんが。あと写真左に見えるショルダーユニットについている「GAPLANT」のマーキングのデザインが、鋭角的でいかにもギャプラン「らしく」なかなか格好良い。コレだけでも欲しいくらい(笑)。
変形(1)
 変形に関してはギャプランと変わらず…と言いたいが、ショルダーユニットの関係で一々腕の基部を取り外さないという事実。アンテナも差し替えだし・・・。
変形(2)
 基部を繋ぐ部分は負荷がかかりやすくポキッといきそうだし…もう二度と変形させてやるもんか。
元祖「ギャプラン」と。
 元機体と並べてみた。全く別物といっても良いくらいの見た目の違い。
行くぞ!
 原作Ζにはなかったが、共闘するシーンとかあったのかなぁ・・・。
やはり兄弟!?
 でも変形するとライフル以外にそんなに差異はないように感じられる。・・・う〜ん、)ミラクル。
 
 ちなみに、本機は部隊内で本来の姿である「ファイバー」、或いはブレードアンテナを装備していることから「ファイバーガンダム」の名称で呼ばれていた。(これはT3部隊が主にジオン残党に対し「ガンダムタイプのヘッドがジオン残党に与える心理的影響」を調査していた…その代表が「TR-1 ヘイズル」…ため、本機にもガンダムタイプに近いブレードアンテナが装着されている)

 しかし、「ファイバー」はあくまで「大気圏突入用装備をしたTR-5」のことを表すため、整備側サイドで混乱をきたすため名称を統一して欲しい、という要望があり、それに答えてマーフィー大尉がこの名前を付けた。パイロットではなくメカニック側からの強い要望があって名前が決められた(実際に名前を決めたのはパイロット側だったが)という、珍しい命名経緯を辿った機体でもある。

 また、右バインダーに施されているマーフィー大尉のパーソナルマークは「ウサギ」をモチーフにしたものだが、これは大尉が大の「ウサギ好き」であるため。その為T3小隊は別名「ブラックオター(ウサギの種族名)小隊」とも呼ばれ、マーフィー大尉のアイデアで部隊章にもウサギをあしらった模様が(おそらく同隊に所属の全機に)描かれている。

 しかし、主に同隊のオペレーターを務めているオードリー・エイプリル中尉は小動物が大の苦手で、部隊章をウサギ柄にすることに最後まで反対し続けたというエピソードもある。