∀ガンダム(イングレッサ・ミリシャ試作型MS)
     WD-M01(System-∀99)
●この機体について
 かつて月光蝶システムによって黒歴史と呼ばれる地球上の文明を消し去ったMS。
 それから膨大な年月が流れ、ビシニティ郊外のマウンテンサイクル内の神像ホワイトドールから、ディアナカウンターの砲撃に反応して目覚めた。その後、ロラン・セアックの搭乗機となり、一貫して主役機として戦闘から牧畜、洗濯まで幅広く活躍。最後はギム・ギンガナムが乗る兄弟機、ターンXと壮絶な死闘を繰り広げて大破。ターンX共々、ナノマシンの繭に包まれた。

●主な登場作品

 ∀ガンダム

●八十八所員より

 ガンダムシリーズのプラモデル内でおそらく最もスタンダードだと思われる「マスターグレード」シリーズもついに100体目。これだけ長続きしているシリーズって他にはないのではないでしょうか。その栄えある100体目のMG化機体として選ばれたのは、半数驚愕、半数納得といった感じで「WD-M01 ∀ガンダム」。発表当初その「ヒゲ」に賛否両論が相次いだアイツです。
 ポリキャップなし、五指の可動などそれまで使われた技術に加え、新しい可動軸の追加や接続方式(首や肩アーマー)、パーツ分けといった新機構も盛り込んだ野心作。ちなみに、頭のVマークはデカール再現なのですが、凹部をマーカーで塗った方がしっくりきます。それ以外塗装する場所は、気になれば脚の赤い円部のみでほぼゼロと言っても良いでしょう。

▼ギャラリー
ビームライフル
 保持はできるのですが、元々ライフル自体がかなり大きいので例えば脇に挟んだりする時などは結構干渉してしまいます。構造自体はこれもまたシンプル。
 別売りのディスプレイベースと接続するパーツは背中に接続するようになっています。今回は機体のメインカラーに合わせてホワイトのベースを使用。
背面
 武器も推進系類も何も付いてない、極めてシンプルな外観。背中にランドセルすら付いていません。このシンプルさは∀ガンダムの売りかと。
面白い機構
 肩アーマーは前部がスライドするように分かれていて、腕を前に上げたときにこの邪魔にならないようになっています。
 付け根にあるリング状の部分がレールになっていて、それに沿って動くようになっているという仕組み。
ビームサーベル
 サーベルのビーム刃部分はそれまでのものよりかなり細いという演出だったのにあわせ、専用の細いクリアーパーツが使用されています。
 サーベルのラックは肩に自由に着け外しができるもの。普段はもっぱら外していますけど。
ハンマー投げ
 掘り出されたというハンマー。チェーン部分はプラスチック製。相手に直接ブン投げて粉砕する。This is Mr.MUROFUSHI !!
 手に持つのは造作ないのですが、ハンマーを投げた瞬間などは無理。ハンマーを空中でディスプレイできる何かでもあれば良いのですが。
胸部
 胴体の機構について。胸部分は多目的コンテナになっていて、キットではミサイルが計6機入っています。
 ハッチは見ての通りの展開の仕方。腹に一番近い下のハッチはどうもビーム砲だそうです。
コンテナ
 この胸に入っているコンテナは、フタが外れる以外にもそれ自体が取り外せるようになっています。更に内部ミサイルも取り外しが可能で、開いたスペースに劇中同様、「牛」を入れられます。
 このウシにこそこのキットの真髄が詰まっているんじゃないか、ってくらいの気合の入れよう。それにしても人間くさい挙動が妙に似合う∀。
萌え・・・?
 噂によると世の中の一部男性諸君は、目の悪い女の子がうっかりメガネを落としてしまい、慌ててメガネを探しておろおろする様に「萌え」というものを感じるそうです。
 …ということでやってみました。しかももっと大切な「頭」で。あたま、あたま、あたまはどこですか? あたまがないとぉ〜…ぁあいたっ!
 所長注:アンパンマンの頭じゃないんだから。

背面2
 背中にはライフルとシールドのマウント用パーツを装備できます。このパーツは背中ではなく「肩アーマーの裏」に付いているという変わったもの。
 また背中には、∀が「最悪の兵器」たる所以である「あるモノ」のためのハッチが5箇所ついていて、これも自由に開閉ができるようになっています。
フル装備だけどシンプル
 で、フル装備するとこうなるワケです。あんまり見られない姿ですが。なんかゴテッとした姿が似合わないんですよね、この機体。
肘の動き
 肘ですが、実はたった二つのパーツを組み合わせるだけで、動くときはこのようにフレームそのものが動くようになっています。これはどうも設定でそうなっているようです。
 後ろの肩アーマーが跳ね上がるようになっていて、その基部に先述のライフルやシールドを保持するパーツをはめる仕組み。
見よ!この華麗なるステップ
 少し分かり辛いのですが、脛にも可動軸が入っていて少しばかり前傾します。奥が前傾している状態です。
付属品
 ライフルは設定にあるようにモード変更が可能。シールド裏にはレールが仕込んであり、自由に位置を変えられます。
 手のパーツは可動指と固定の平手の二種類。可動指は最初から五指全てが分けて成型されているので、表情は豊かです。


「戦うだけがガンダムなのか?」ということをまざまざと見せ付けてくれる∀ガンダム。
確かに見た目は派手ではないものの、実際組み立ててみると非常に「格好良い」機体です。
このシンプルさと作り込まれた「機能性」の高さは、組み立ててみればはまり込むこと間違いなし。
一家に一機、この「おヒゲの人形」はいかがでしょうか?