グラディウス gladius

国籍:西ヨーロッパ全域 
    主にローマ帝国(或いは市政ローマ)
時代:BC.7〜AD.4  長さ:0.50m〜0.75m
重さ:0.9kg〜1.1kg  類別:刀剣

○兵器解説
 グラディウスと言うのは本来、剣の種別名称ではなく、ラテン語で剣そのものを指す言葉である。主にローマ帝国を中心にこの言葉が使用されている為に、ローマ帝国で用いられていた剣をグラディウスと総称する事がある。

 ローマ帝国を主体とする価値観の元においては、この時代のすべての剣をグラディウスと称して、文献などに残している場合もある。ここではグラディウスの定義を一時的にローマ帝国で用いられた剣として、説明を進める。


 さて、ローマ帝国でもっとも用いられていた形は、 全体的に長くはなく、剣種類別としてはむしろ、ショートソードと呼べるだろう。基本的に肉厚幅広な両刃の刀身を持ち、切っ先が鋭角に尖り、ヒルト(柄)はガード(鍔または護拳)、グリップ(握り)、ポメル(柄頭)の三つの部品で構成され、これは後世の剣形の原型と言える物である。

 グリップ部の多くは、握り形状に形成され、手に馴染む様に工夫されていた。 刀身材質は年代毎に銅から鉄、後に鋼へと進化している。また、柄材には木、象牙、骨、貴金属、等目的や趣旨により多彩である。 銅や木、皮で作られた鞘の多くも意匠が施されていたりする例も多い。しかし、100年以上も用いられながら、形状自体に進化が得られなかったのは、 ローマ帝国、或いはそれ以前に見られる、戦争の形態に起因するところが大きいだろう。

 この当時、戦争の中核を担ったのは、重装歩兵と呼ばれる兵種であり、彼らの手にしていた主要武器は、剣ではなく、パイクを代表とする長柄の槍であった。この為、剣の類は副装備品としての色が強く、携行するのに苦にならない、短くて軽い物が望まれたのである。この為、戦に従事する際には、基本兵装のグラディウスではなく、更に短いアキナスと呼ばれるダガー(短剣)を装備していた例もある。

○岳飛の私見

 グラディウスというと自分の場合は、剣闘士を連想する。
 そもそも剣闘士:グラディエーターの言葉の由来は、グラディウスを使う人、という意味から来ている。