2008(平成20)年11月3日(土)、埼玉県狭山市・入間市にまたがる航空自衛隊入間基地の公開イベントとして「入間基地創立50周年入間航空祭」が開催されました。
その模様を、鯛風雲様が撮影されましたのでここに掲載します(以下の解説も、鯛風雲様によるもの)。「ブルーインパルス」による曲技飛行をはじめ、航空自衛隊のYSー11FC展示飛行など飛行機好きにも見所満載の公開イベント。写真は禁転載です。
中型戦術輸送機C-1の第2輸送航空隊創立50周年記念塗装です。第2輸送航空隊というのは入間基地をベースにC-1、U-4を使用した輸送を主任務とした部隊で、U-4では首相やVIPの輸送も行っています。
ジェット練習機T-400の美保基地開庁50周年記念塗装です。美保基地は鳥取の「ゲゲゲの鬼太郎」の町こと境港市にあるので、尾翼には一反木綿の背中に乗った鬼太郎が描かれています。
日本の主力戦闘機、F15Jイーグルです。装備の旧式化などが理由で現在後継の戦闘機の導入を検討中です。
F-1の後継機として誕生した国産戦闘機F-2です。F-16をベースに支援戦闘機、つまり攻撃機として製作された為、世界最強の対艦戦闘能力を有しています。また、機動性の素晴らしさから「平成のゼロ戦」と呼ばれる事があります。
F-4EJが第8飛行隊から今年で引退する事を記念した塗装。胴体上部に「2008 FINAL YEAR」と書かれています。
AWACSつまり早期警戒機のE-2Cはレーダーを背中に載せているのが特徴です。また、もともと艦載機として設計された為、主翼を折りたためるなど艦載能力をもっています。
米軍からやってきたのはC12輸送機。輸送機、と言ってもC-1のような搭載力は持っていません。
地対空誘導弾、つまり対空ミサイルのペトリオットです。弾道ミサイル防衛の最終防衛ラインとして期待がかけられています。
国産旅客機YS-11とU125による飛行点検隊の編隊です。飛行点検隊、というのは航空機の運行に欠かせない全国の空港にある施設の点検などを行います。
続いてT-4が編隊で離陸してゆきます。離陸、という最も神経のいる瞬間に編隊を維持するには熟練された技術が不可欠です。
編隊のままターン。編隊の狂いが1寸も見られないところさすが航空自衛隊だと感じます。
入間をホームベースとするC-1、U-4の編隊がやってきました。C-1という大型機の編隊行動は常に周りに調子を合わせなければいけません。
日本、いや世界の大型機でこのような激しい機動を行えるのはC-1だけでしょう。
C-1は勿論空挺も可能です。いくら訓練を積んでるとはいえ、高速で移動する飛行機から地面が見えているのに飛び降りる、という行為は大変な事でしょう。
少人数が偵察の為降りたあと、本隊が降りて行きます。空挺団、というのは相当な訓練を積まなければいけないので一朝一夕に育成できる部隊ではありません。
次はヘリコプターの機動飛行です。UH60とCH47の主力機種コンビ(?)です。CH47は「自衛隊のヘリ」で御馴染みです。
山火事など大規模な災害にはこのような消火方法を用います。ヘリコプターを使うことによって広範囲の消火が可能となります。
UH60からは隊員が降下します。F-2との洋上迷彩コンビが実現しました。
敵からの攻撃を回避する為にヘリボーン機動と呼ばれる機動飛行が行われます。自衛隊のヘリならではの機動です。
イベント一番の人気、ブルーインパルスが始まりました。ダイアモンド形態で離陸するダイアモンドテイクオフの後、その形態を維持したままダーティターン。
ダーティターンの後、ダイアモンド形態を維持。
トレイル形態を維持した後は傘型形態に移動するチェンジオーバーターン。
デルタ形態より全機一斉降下、ループを行うレインフォール。晴れの日はさぞかしきれいな事でしょう。
2機がつながれた様に背面飛行に移るハーフスローロール。成功には非常に高度な技術とブルー仕様のT4が不可欠です。
時速800キロ程度で横転を行いながら交差する大迫力のオポジットコンティニュアスロール。
低高度で背面飛行しながら編隊飛行を行う4シップインバート。高度なテクニックが必要です。
2機が同時に垂直上昇を行いそれぞれ反対方向に宙返り後、1機が矢を突き刺すように進入する、バーティカルキューピッド。ハートに矢を突き刺すというナイスなアクロバットです。
デルタロールのため進入してくる6機のブルー。
花が開くように見える、上向き空中開花。空に咲く花なんてこれだけでしょう。
いよいよ最後の課目、コークスクリューです。背面飛行している機の周りを螺旋を描きながら飛行する極めて難しい課目です。このような難しく、危険なアクロバットをこなせるのはやはり日々の訓練の成果でしょう。