護衛艦「はつゆき」型
       "Hatsuyuki" Class

DD-128「はるゆき」。
(撮影:デューク)
●基本データ
種別
警備艦(DD)
主機
ガスタービン4基(COGOG)・2軸
登場年
1982年
出力
45000馬力
基準排水量
2950t(〜DD−128)
3050t(DD−129〜)
速力
30kt
全長
130m
搭載機
哨戒ヘリ1機(地方隊はなし)
全幅
13.6m
乗員
200名(地方隊は160名程度)

●兵装一覧
 76o62口径単装速射砲1基
 MK-29 シースパロー短SAM8連装発射機1基
 Mk-112 アスロックSUM8連装発射機1基
 ハープーンSSM4連装発射機2基 
 324o短魚雷3連装発射管2基
 Mk-15 20oCIWS2基

●解説

 海上自衛隊初のオールガスタービン推進護衛艦。
 護衛艦隊の中核として対艦・対空・対潜装備ににバランスの取れた護衛艦として設計され、以後の汎用護衛艦は本型を基本に整備されていくこととなった。

 本型はほぼ同時期に就役しはじめていた先進各国の汎用艦艇とほぼ同等の装備を有しており、本型の就役を持って海上自衛隊の艦艇のレベルが世界水準に達したと見ることができる。
 本型はガスタービンを採用したほか戦闘区画を従来の艦艇のようにブリッジに設置せず、主船体内に設置し、抗耐性を向上させている。

 しかし、前期艦は主船体の材質にアルミ合金を使用しており、抗耐性に問題があり、フォークランド紛争での教訓により、「やまゆき」より鋼製に変更されている。このため排水量が若干増えている。もっとも、本型は船体の大きさに比べ重装備であったため、もともと将来の装備に対する余裕の少ないことが指摘されていた。そのため、本型13番艦以降については別クラスとなった。

 護衛艦隊の中枢を担った本型も、「むらさめ」型や「たかなみ」型の配備により、護衛艦隊を退き、地方隊へ転出しており、護衛艦隊に登場したヒーローもその姿を護衛艦隊からは消してしまった。
 しかし、地方隊の護衛艦としては満載排水量が4000tに迫る艦艇を配置するのは任務からしても大きすぎるという意見もある。

 なお、平成10年に最終艦「しまゆき」が練習艦に種別変更されたのを皮切りに、練習艦への種別変更も始まっている。それまでの練習艦は第一線での使用が難しくなってきた艦艇が余生を送る感があったが、最新装備に対する錬度を確保するためにも第一線型のコンバートして錬度を高める方針により、「はつゆき」クラスの艦艇が練習艦に転籍している。

艦番号
艦名
竣工日
DD-122 はつゆき 1982年3月23日
DD-123 しらゆき 1983年2月8日
DD-124 みねゆき 1984年1月26日
DD-125 さわゆき 1984年2月15日
DD-126 はまゆき 1983年11月18日
DD-127 いそゆき 1985年1月23日
DD-128 はるゆき 1985年3月14日
DD-129 やまゆき 1985年12月3日
DD-130 まつゆき 1986年3月19日
DD-131 せとゆき 1986年12月11日
DD-132 あさゆき 1987年2月20日
DD-133 しまゆき 1987年2月17日

●ギャラリー


DD-122「はつゆき」
(撮影:鯛風雲様 禁転載)

DD-123「しらゆき」
(撮影:鯛風雲様 禁転載)