初飛行:1967年5月19日
生産数:582機
第3次中東戦争で、対空、対地ともにミラージュIIIの大戦果に満足したイスラエルが、ダッソー社に対して戦闘爆撃機として発注したもの。ミラージュIII
Eをベースに、レーダーと一部の電子機器が外される一方、燃料タンクを増設しているのが特徴である。また、ミラージュIII
Vとの混同を避けるために、アラビア数字で「5」となっている。
結局、フランスのシャルル・ド・ゴール大統領がイスラエルへの輸出を禁じたため、イスラエルが発注したミラージュ5は、ミラージュ5
Fとしてフランス空軍に配備。このほか、ベルギーやエジプト、パキスタンなどへ輸出されている。
バリエーションとして、エンジンをミラージュF1と同じアター09K-50に換装した、ミラージュ50も存在。新造機のほか、ミラージュIII/5からの改造機も多数存在している。
また、ミラージュ5が手に入らなかったイスラエルは、非合法に設計図を入手し、コピー版としてネシェルを製造。さらに、発展型であるクフィルも誕生している。ネシェルはその後、ダガーの名称でアルゼンチンへ売却され、フォークランド紛争でイギリス軍の戦闘機と交戦したが、かなりの損害を受けている。この後、残存機はレーダーの換装やレーダー警戒受信機の追加等などを行い、フィンガーと改称されている。