コメット巡航戦車(A34)
(撮影:イギリス 戦車博物館/撮影:秩父路号)
●基本データ
登場:1944年(量産車)重量:33t
全長:7.77m
全幅:3.04m
全高:2.67m
乗員:5人
●解説
ティーガーI重戦車など強力なドイツ戦車に対抗するために開発されたもの。イギリス陸軍では火力増強のため、17ポンド砲を搭載したチャレンジャー巡航戦車を開発していたが、車体サイズと重量のバランスが悪く、1942年秋以降はアメリカから受領したM4中戦車シリーズを使用していた。それでもドイツ戦車に対する火力不足は否めず、クロムウェル巡航戦車を大型化した車体に、ヴィッカース・アームストロング社が開発したコンパクト版17ポンド砲(77mm)を搭載したのが、このコメット巡航戦車である。足変わりはクロムウェルと同じクリスティー式サスペンションを重量の増加に合わせて強化。また、エンジンとして600馬力のロールスロイス・ミーティアMk.III 12気筒ガソリンエンジンを搭載している。
これによって、強力な火力と装甲、機動力のバランスが取れた国産戦車が誕生しますが、実戦投入は1945年3月と終戦間際であり活躍の場は少なかった。戦後は主に訓練用の機材として使われ、1958年に退役。アイルランド、フィンランド、南アフリカ、ミャンマーに売却され、ミャンマーでは何と2007年まで現役だった。
●ギャラリー
(撮影:ムンスター戦車博物館/撮影:秩父路号)
(撮影:ソミュール戦車博物館/撮影:裏辺金好)