2009年5月3日 松島と石巻を観光する


 本当はかなり金欠状態だったりしますが・・・後先考えずに、氷川副所長を初の東北地方に立たせてみたい、というだけの理由で宮城県へ。まずは日本三景の一つ、松島へ行きます。個人的には3回目の訪問ですが、前2回は海岸から松島の島々を見ただけ。そこで今回は初めて遊覧船に乗ることにしました。天気が微妙だったのが、ちょっと残念。

 船が出港すると、「待ってました!」とばかりにカモメの大群が船にむけて襲撃をかけてきます。

 お目当ては観光客から頂く「かっぱえびせん」。船の中で「カモメのえさ」として販売しており、多くの人たちが景色を眺めるより、エサやりに夢中になっています。もちろん、楽しみ方は人それぞれですけど、不必要な餌付けには個人的に反対です。

 さて、この松島クルージングは大小さまざまある、松島の島々のうち、比較的小さめのものを中心に見ていく感じ。1つ1つが変わった形をしているのが特徴で、見るものを驚かせます。ただ、全体の景色としては壮観かと言われれば難しいところで、氷川副所長には「(地元の)瀬戸内海にもこんなのあるぞ」と言われてしまいました(笑)。
 とは言え、観光客でごった返していた船より、家で写真を眺めると、中々の風景であることに気づかされます。
 上写真は鐘島で、島に4つも穴が開いているのが本当に不思議。名前の由来は島に空いた4つの穴に打ち寄せる波の音が、まるで鐘を打つ様に聞こえたことから、だそうです。

 こちらは材木島。

 この辺は・・・スミマセン、失念しました。

 先ほどの写真の続き。

 船を下船した後、朱塗りの橋を渡って福浦島へ。

 ここからの風景も中々のもので、もちろん島自体も自然豊かな風景が素晴らしい。島は比較的大きく、ちょっとした散歩に最適です。

 このような場所もあります。

 さて駅の方向に戻ろうとすると、自称「松島城天守閣」という展望台が。実はこれ、元々は1927年に建てられた松島城観光ホテルの一部で、写真手前の駐車場にも城郭風のホテルが建っていました。

 展望台は、ある意味で本物の天守閣らしく急な階段が特徴。

 最上階からは、意外と松島の全景を堪能することが可能。空気の澄んだ日には絶景でしょう。

 続いて瑞巌寺の参道を通り・・・。

 かつて仙台藩主伊達家の殿様が、松島を訪問する際に船(御座船)を漕ぐ役目を担っていた、水主(かこ)衆の民家のうち、最後の1棟を移築し、茶店として転用している茅葺屋根の家を見て、駅へ行きます。

 そしてJR仙石線の205系「マンガッタンライナー」編成に乗り、終点の石巻へ。

 車窓にも松島の島々が見えてきますので、まだまだ松島を堪能することが出来ます。

 そして終点の石巻に到着。この電車、漫画家の故・石ノ森章太郎さんの数々の作品をラッピングした電車です。
 編成全体の様子。

 何ゆえ先ほどのような電車が走っているのかというと、石巻市には石ノ森萬画館という施設があるから。また、マンガッタンとは、この北上川河口の中瀬を空から見た地形が、ニューヨークのマンハッタンに似ている(自称)に由来する造語です。石ノ森漫画館の館内の様子については撮影禁止だったので紹介できませんが、駅前周辺には殆ど人がいない石巻市において、数多くの人であふれる大人気の観光スポットでした。
 ちょうど現在、特別企画展『ギャグマンガの王様 赤塚不二夫展』というのが開催されており、バカボン、イヤミ、ウナギイヌ、ケムンパスなど懐かしのキャラクターを久しぶりに見ました。漫画も展示されていましたが、今見ても面白いですね。う〜ん、買いはじめそう・・・。
 個人的には石ノ森作品とは、放送された初期の仮面ライダーと、漫画「日本の歴史」シリーズぐらいしか解らないため、意外にも赤塚不二夫展の方が非常に興味深い内容でした。

 ちなみに、この石ノ森萬画館の向かい側には、旧石巻ハリストス正教会教会堂が移築保存されています。1880(明治13)年、石巻市千石町に建設されたもので、現存する日本最古の木造教会建築。また「ハリストス」とは、ロシア語で「キリスト」のことです。

 内部は無料で一般に公開されており、非常に小さな建物ながら、明治の時代が始まるや、突如として石巻に現れた、このような内装の建物に、当時の人たちは何を感じたのだろうと思わずにはいられません。

 そして駅に帰る途中で見つけた自民党の建物。詳細は不明ですが、何となく戦前の建築のニオイがしまして、撮影しました。

 商店街に置いてあった仮面ライダーの像。町全体が、漫画作品の博物館と共に商店街振興を図る例としては、「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる作品を前面に押し出す、鳥取県境港市の例がありますが、境港市は、駅から水木しげる記念館へ続く道を「水木しげるロード」と銘打って、半ばやり過ぎとさえ感じるほど、商店街のあちこちに妖怪のオブジェに、鬼太郎グッズ店があったりと、大変にぎやか。
 それに反して、石巻市も萬画館への道を「マンガロード」として、同様の路線で行きたい雰囲気は出していますが、さほど何かがあるわけでもなく、ゴールデンウィークということもあって、商店街は完全にシャッターが下りていて沈黙状態。駅前にあった「さくら野百貨店」も、郊外に誕生したイオン石巻ショッピングセンターなどに敗北し、2008年に閉店。
 地元の方には申し訳ないですが、あまりの惨状に驚きました。ただ百貨店跡の1階にはスーパーは入居しており、さらに石巻市役所も移転して来るそうで、これは面白い動きだと思います。

 まあ、そうは言っても他にはこんなのもありましたけどね。

 また石巻駅にも、こんなのがありました。まあ、考えようによっては石ノ森作品には興味の無い地元の方も少なからずいるでしょうから、このぐらいの盛り上げ方ぐらいが、嫌味がなくて良いのかもしれません。

 こちらは石巻駅。石巻線のキハ40系気動車が並びます。

 仙台へは通常の205系で帰還。名物の牛タンを食べて帰ろうとしましたが、どの店も満員御礼状態で、ようやく牛タンオムライスを出す洋食屋を見つけるのが精一杯でした。
 ・・・で、そのまま藤沢の所長邸へみんなで帰還。
 翌日は馬藤所員を入れて、久しぶりに桃太郎電鉄三昧で過ごすという、なんとも贅沢な時間の使い方をしましたとさ。私が持っているのはPS2用の桃太郎電鉄12ですが、キングボンビーなどが強すぎて、いくら物件を買い占めても、あっという間に全部を売り払う羽目になり、全然先に進まず、大変イラっとさせていただきました(笑)。
 それにしても、地方都市を回っておりますと、大体は商店街が自助努力を怠っているところへ、郊外にイオンが大型店舗をオープンし、完全にトドメを刺す例が何と多いことか。商店街が悪いのか、イオンが悪いのか、これはケースバイケースで難しいところですが、中期的に考えれば、町の顔を失った地方都市の衰退には加速がかかる。鉄道の廃線もこれから益々増えると思います。
 少子高齢化と人口の流出も加速し、近いうちにイオンも不採算店の大量増加に頭を悩ませることでしょう(既にその傾向は出ていますが)。こうしてイオンが不採算店の整理に入ったときに、それぞれの地方都市の未来はどうなるのか、凄く不安がありますね。

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