2024年2月14日 青森・弘前・盛岡を1万円で巡る旅
平日限定で1万円にてJR東日本と一部の第三セクター鉄道が新幹線・特急含めて乗り放題となる「旅せよ平日!JR東日本たびキュン 早割パス」を使って、友人Kと友人Nと一緒に出撃。旅行計画時点では、最悪の場合は大雪もあるかなと覚悟していたのですが、この時期の東北とは思えないぐらい暑さで、そのおかげで色々と散策出来ました。当然のことながら指定席は飛ぶように売れて入れたため、まずは新幹線「こまち」で盛岡まで行き、盛岡からは「はやぶさ」に乗り換えます。
そして新青森駅に到着。さすが、ねぶたがお出迎えです。
新青森駅では、武者絵デザインマンホールを発見。
さて、タクシーで新青森駅を出発し…。
最初に向かったのは三内丸山遺跡。
雪に覆われているものの、青空が広がり全く寒くなく…。
展示されていた縄文土器などは国指定重要文化財だらけという、併設の博物館も堪能し、タクシーで青森市中心部へ向かいます。
ちょうどお昼の時間なので、青森魚菜センターで「のっけ丼」を食べます。
以前に比べて値上がりしましたが、それでも肉厚で新鮮なお刺身を各店から自由にチョイス可能で、大変美味でした。
さらに超特急で青函連絡船「八甲田丸」を散策。
貴重なキハ82形が保存されているのは嬉しい話。特急シンボルマークと、トレインマークがあれば言うことなしなのですが。
こちらは竣工間近の新しい青森駅ビル。北海道新幹線開業後、数多くの在来線特急が発着していた頃の賑わいが無くなり寂しかったところが、新しい風が吹いてきました。
E5系塗装のJRバス東北を発見。
新たなJR青森駅改札口
非常に重厚な雰囲気の東西自由通路
今回狙いたいネタの1つであった、2019(令和元)年11月3日から運転されている「11ぴきのねこラッピングトレイン」を撮影。人気絵本「11ぴきのねこ」シリーズの作者、馬場のぼる氏が三戸町の出身であることから企画されたもので、青い森700-7+青い森701-7に施されています。
津軽線のGV-E400形を初めて撮影。
そして、E751系特急「つがる」で弘前駅に到着。ここまで特急代込みで1万円で来れるとは…。
弘南鉄道弘南線も久しぶりに見ました。
こちらは弘前駅
雪深いかと思いきや、全然雪が無かった弘前。お陰様で、近代建築を堪能できました。こちらは一戸時計店 【歴史的風致形成建造物】で、1899(明治32)年築。元々は仙台の三原時計店が弘前支店として開業したもので、当初は平屋建て。1920(大正9)年に一戸時計店が譲り受けたのち、2階建てに改造。緑のトタン屋根から突き出る、風間鳥を備えた開業当時からの赤い円錐屋根の時計台は開業当初からのもので、商店街のシンボル的存在です。
こちらは日本聖公会弘前昇天教会教会堂 【青森県指定重宝】で、1920(大正9)年築。立教大学校長を務めたジェームズ・ガーディナーの設計で、全体をゴシック様式でまとめ、イギリス積の赤レンガで建築されています。なお、三角塔の鐘は1920(大正9)年にアメリカで鋳造されたものです。
弘前れんが倉庫美術館。1907(明治40)年、1923(大正11)年築の3棟の倉庫で、もとは実業家・福島藤助が建設した酒造工場。2020(令和2)年に美術館として改修され、翌年には「フランス国外建築賞」のグランプリを獲得しています。
こちらは最勝院。
五重塔は国指定重要文化財で、1666(寛文6)年築。国指定重要文化財では最北端に位置する五重塔で、寺伝によると初代弘前藩主である津軽為信の津軽統一の過程で戦死した敵味方の供養のため、3代藩主津軽信義が企画し建立したといわれています。塔の総高31.2mで、その均整の取れたデザインから東北一の美塔と讃えられています。
中央弘前駅には煉瓦のラッピングがされた大鰐線の車両が停車していました。「HIROSAKI RENGA STORY装飾列車」というもので、2022年10月15日から運転されています。弘前れんが倉庫美術館へお越しの方に「大鰐線に乗ってもらうきっかけ」としてもらう狙いがあるそうです。
土手町商店街を歩くと変わった形のビルがありました。中三弘前店という地元百貨店で、建築家の毛綱毅曠(もづなきこう)の設計で1995(平成7)年に改築されたものだとか。ジュンク堂書店も入っており、まだ弘前は百貨店と本屋が元気だなあ…と思っていたら、ジュンク堂は4月に閉店し、そして中三弘前店は8月29日に突如として閉店したそうです。
さて、周辺には近代建築が色々。こちらは旧青森銀行津軽支店(現・百石町展示館) 【青森市指定有形文化財】で、1883(明治16)年築。元々は豪商・宮本甚兵衛が「角三」宮本呉服店の店舗として建築したもので、1917(大正6)年に津軽銀行(のち青森銀行に合併)が購入して、銀行店舗に改装しています。この際に入り口開放部分の一部を残して壁面とするなど改装が加えられたほか、1977(昭和52)年にも手が加えられ、蔵部分と店舗部分と統一性を持たせたほか、擁壁をレンガ積みとしています。2001(平成13)年に弘前市へ寄贈され、美術展示施設「百石町展示館」としています。
旧第五十九銀行本店本館(現、青森銀行記念館) 【国指定重要文化財】。1904(明治37)年築。堀江佐吉の設計・建築による、旧第五十九銀行(青森県初の銀行)本店の本館で、ルネッサンス風の建物ですが、金唐革紙を天井に施し、県産ケヤキでカウンターを造るなど、和洋折衷の建築です。なお、旧五十九銀行は、現在の青森銀行の母体です。
旧東奥義塾外人教師館 【青森県指定重要文化財】。1901(明治34)年築、設計はアメリカ・メソジスト伝道本部で、実際の建築は堀江佐吉が担当しました。青森県初の私学校である東奥義塾の外国人宣教師住居で、煉瓦の土台と窓を多く設けた造りが特徴です。
旧弘前市立図書館 【青森県指定重要文化財】。1906(明治39)年築。東奥義塾の敷地に建てられた、斉藤主、堀江佐吉らの建築による木造洋風3階建てのルネッサンス様式の建物で、左右の八角形のドーム型双塔や、軒先の蛇腹などが特徴です。周辺にはまだこのほかにも様々な近代建築があることを知ったのは帰宅後でした。また行かないと…。
さて、今度は弘前城の中へ。
三の丸追手門 【国指定重要文化財】。1610(慶長15)年築。17世紀後半に碇ヶ関に通じる道が造られたことにより、ここが大手口となりました。
天守閣 【国指定重要文化財】。弘前城本丸の石垣が外側に膨らむ「はらみ」がみられ、地震の際に崩落する恐れがあることから石垣の修理事業を実施中。このため、天守閣についても2015(平成27)年度から本丸内へ一時的に曳家されています。元の場所に戻るのは2030(令和8)年度ぐらいだとか。
弘前市のマンホールを発見。
三の丸東門 【国指定重要文化財】。1610(慶長15)年築。弘前城の東側を固める門。このほかにも弘前城は様々な櫓などが残ります。
さて、循環バスで弘前駅へ戻ります。
途中でも近代建築に出会います。こちらは翠明荘(旧高谷家別邸) 【国登録有形文化財】。1934(昭和9)年築。津軽銀行頭取等をつとめた実業家の高谷英城の別邸で、フランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテルを模しているのが特徴。外壁はスクラッチタイル貼りで、縦長の連続窓や丸窓を配して組積造のようなデザインとしています。
石場旅館 【国登録有形文化財】。1879(明治12)年築。旅館創業当時からの建築で、弘前に現存する旅館建築としては最古。東西に入母屋造鉄板葺の建物2棟を雁行させ、後方に土蔵を附属しています。
日本キリスト教団弘前教会 【青森県指定重要文化財】。1906(明治39)年築。設計は桜庭駒五郎(弘前教会の長老)で、その姿からわかるとおり、パリのノートルダム大聖堂をモデルにした双塔式ゴシック風の教会で、堀江佐吉の息子である斉藤伊三郎の手によって建築されました。
弘前駅に着く前にイトーヨーカドー 弘前店を見つけたので撮影。9月29日に移転し、後継施設として食品スーパー「ロピア」を展開するOICグループによる「CiiNA CiiNA(シーナシーナ) 弘前」となるそうです。
弘前駅に戻ると偶然にも豪華寝台列車「四季島」が、「春よ来い」の生演奏ともに入線してきました。全く予期してなかったのでびっくり。
撫牛子駅では通過待ちの間にE751系特急「つがる」を撮影。
続いて盛岡駅へ。IGRいわて銀河鉄道ホームへ行き、2022(令和4)年2月17日に登場した「漆」&「縄文」 県北ラッピング列車を撮影。二戸地域への観光客等の誘客促進、IGRの利用促進等を目的に、二戸市の「漆掻き技術」と一戸町の「御所野遺跡」の、世界が認める2つの文化遺産をイメージし、車両をラッピングしたもの。柱が邪魔で微妙な写真に。
こんな時間ですがマンホール市の旅。こちらは盛岡市下水道70周年記念として、一般にデザインを公募し、令和6年2月に3種類3枚が設置されたもので、まずは岩手銀行赤レンガ館前に設置されたものを撮影。旧・盛岡銀行本店本館(現・岩手銀行赤レンガ館)を中心に、その後方に大昔から盛岡を見守ってきた石割桜、盛岡城、岩手山、そして上部には明治から駅と街なかを結んできた開運橋、その裏では北上川に合流する中津川と雫石川を描いています。
目の前には岩手銀行赤レンガ館があります。1911(明治44)年築で、東京駅と同じく辰野・葛西建築設計事務所の設計。辰野金吾氏が設計した建築としては東北地方に唯一残るもの。国指定重要文化財です。
さて、他のマンホールもゲット。こちらは円形のマンホール鉄蓋をさんさ太鼓に見立て、盛岡さんさ踊り公式マスコットキャラクター「さっこちゃん」と岩手県のイメージキャラクター「わんこきょうだい」の「とふっち」をデザイン。
こちらは、盛岡城址公園北側(櫻山神社近く)に設置されたもので、盛岡さんさ踊り、盛岡城、石割桜(花びら)、カキツバタ(市の花)を中心に、背景に岩手山と北上川を配したデザインです。
盛岡城はライトアップされていました。
こちらは、市内中心部にある百貨店「パルクアベニュー・カワトク」前に設置されたもので、北上川、竣工から70年目(設置当時)を迎える開運橋と石割桜を中心に、背景に盛岡城をモチーフにした石垣模様と、雄大な岩手山を描いています。
本来であれば、このあと仙台も行ってみようと企んでいましたが、流石に歩き疲れたので夕食を食べ、新幹線で真っ直ぐ帰宅。年度末の忙しい時期だったので、これ以上平日休みを取れず出撃はできませんでしたが、またこの切符を発売してほしいものです。