2025年3月23日 仙石線205系と仙台・多賀城の史跡をめぐる

続いてタクシーで多賀城へ。ここは奈良時代から平安時代にかけて東北地方の政治・軍事・文化の中心地として栄えた古代の役所(国府)跡で、長らく建築物的な復元は無かったのですが、なんと2023(令和5)年度に外郭南門、2024(令和6)年度に 外郭南門築地塀が復元されました。

i以前の多賀城といえば、国宝の多賀城碑が最大の見どころでした。こちらは日本三古碑の一つで、724年の多賀城創建と762年の改修などが11行140字で記され、多賀城の創建を伝える唯一の資料です。この改修の際に記念碑として建てられたと考えられ、松尾芭蕉も見に訪れているほど。長い間本物か偽物か議論が交わされてきましたが、発掘調査の結果などから現在では本物とされています。

さらに、政庁南大路跡も復元されていました。こちらは外郭南門から政庁まで真っ直ぐ伸びる道路で、第1期〜第2期は13m、第3期〜第4期は23mの幅員があったと考えられます。現在は第2期の頃を想定して復元され、発掘調査を元に石垣も再現されています。

城前官衙(土間の建物)も位置を表示。

官衙主屋跡。城前官衙主屋の構造を復元したもので、同時期に建てられた法隆寺食堂を参考にしています。屋根は瓦葺であったと考えらえています。

政庁南門跡

往時はこのような雰囲気だったとか。いずれは、こちらも復元を…。


正殿跡

続いて徒歩で東北本線の国府多賀城駅へ向かい・・・。

駅前にある東北歴史博物館へ。

敷地内にある今野家住宅中門と母屋。宮城県北上町(現・石巻市)橋浦から移築したもので、写真手前側の中門は江戸末期から明治初期の建築と推定、母屋は1769(明和6)年築。今野家は江戸時代、桃生郡橋浦村の肝入<きもいり>を務めた家柄です。

それでは、常設展示を見てきます。まずは旧石器時代からスタート。

縄文時代〜ナラ林と水辺のくらし

遮光器土偶。誇張した目の表現が、遮光器(雪眼鏡)に似ていることからついた名前です。

腕組みする土偶。

大型土偶の頭部。

漆を塗った太刀の復元品。原資料は約2500年前のもので、縄文時代の高度な漆技術を示すものです。

漆で文様を描いた土器。こちらも原資料は約2500年前のもので、やはり漆技術はすごいものです。

装身具の種類と位置を示したもの。全部を一度には着けなかったそうですが、おしゃれ。

はそうを持つ女性の埴輪。5世紀のもの。

軽武装の男の埴輪。6世紀のもの。

盾を持つ人。6世紀のものです。

エミシのくらし

多賀城碑の複製

多賀城第2期の政庁模型

役人の執務風景。右の机には陸奥守による決裁文書が置かれ、左の机では木簡を作成しています(書き直すところを小刀で削っている様子)。

多賀城廃寺模型

名取市にあった中世の山城跡、熊野堂大館跡(くまのどうおおだて)の復元ジオラマ。現在は団地や学校として開発され、痕跡はありません。


江戸時代、仙台城の城下町の様子。

戊辰戦争の様子を描いた錦絵

雑貨屋

戦時中の貴重な資料も多数展示してあります

電気炊飯器とジューサー

東京大学レゴ部による多賀城南門のレゴ。

そして仙台市へ戻り、瑞鳳殿へ。ここは1636(寛永13)年に70歳で生涯を閉じた仙台藩初代藩主・伊達政宗の遺命により、その翌年に経ケ峯へ造営されたの霊廟です。本殿、拝殿、唐門、御供所、涅槃門が桃山文化の雰囲気を伝える絢爛高価な様式で建てられましたが、1945(昭和20)年の戦災で焼失。現在の建物は、1979(昭和54)年に再建されたものです。
まずは正門にあたる涅槃門(ねはんもん)。絢爛豪華な装飾が特徴です。

こちらは拝殿。焼失前は瑞鳳殿と同じ高さにありましたが、簡略化の上で異なる高さの場所に再建され、往時の建物とは異なっています。


唐門。こちも焼失前と異なり簡略化されていますが、往時は天井に金箔を貼ったことから金唐門とも称されました。



瑞鳳殿。伊達政宗公の霊屋で、蟇股に瑞鳥、欄間に飛天、花頭窓(かとうまど)に鳳凰、隅柱に獅子頭を配すなど、非常に絢爛豪華な建築です。

伊達政宗の息子で、仙台藩2代藩主の伊達忠宗公の霊屋である感仙殿。瑞鳳殿の様式を踏襲し、元々の建物は1664(寛文4)年に建てられました。現在の建物は1985(昭和60)年の再建です。

伊達忠宗の息子で、仙台藩3代藩主の伊達綱宗公の霊屋である善応殿。こちらも瑞鳳殿の様式を踏襲して1716(享保元)年に建てられました。現在の建物は1985(昭和60)年の再建です。

続いて久しぶりに仙台城跡へ。

かつての本丸跡は、このような立派な建築がありましたが、今では見る影もありません。

仙台城大手門を復元する構想は長らくあり、現在は「仙台城大手門復元基本構想」の策定が進められているようですが、復元はいつになるでしょうか。

現在の仙台城のシンボルは、伊達政宗像。


また、本丸跡にある仙台城見聞館には本丸御殿大広間の一部(上段の間)が再現されているほか、本丸御殿の復元模型があります。

また、大手門跡の脇に再建された隅櫓が、忠実な復元ではないとはいえ、城らしさを伝えています。

焼失前の大手門と隅櫓。空襲がなければ…。

最後に、あおば通駅の発車メロディーを聴きながら205系を撮影し、すべての行程を終えました。次に仙台に来るときは、すべてE131系に置き換わっていることでしょう。