○静岡県三島市、静岡市〜三島大社と宿場町を行く〜/撮影日:2006年10月14日(土)
 東海道の宿場町を巡る旅へ。
 今回はデューク所員と共にJR藤沢駅を起点に出発しますが、いきなり予定していた列車に乗り遅れるというハプニングも。ともあれ、熱海駅で少し駅前を見た後、写真の伊豆急行には乗車せず・・・東海道線に再び乗って、三島駅で下車します。

 三島といえば、もちろん三島大社! 駅から歩いて5分ほどで到着します。
 その本殿・拝殿は1866(慶応二)年築。そのほか、周りの社殿も同時期の建築です。
 さすが施されている彫刻類も素晴らしく、建築的にも非常に見ごたえがあります。

 こちらは旧東海道の三島宿跡。昔はこの道を大名行列などが通り、そして多くの人々が宿泊しました。
 残念ながら、今は殆ど面影はありません。ただ、先ほどの三島神社は旧東海道沿いであり、多くの参拝客で賑わっていたことでしょう。

 さて、他にも色々見た後で三島駅へ戻り、東海道線に乗車します。
 もちろん、列車の撮影は欠かせませぬぞ・・・。今ではJR東海管内で見られなくなった113系です。

 そして、今は静岡市清水区となった旧清水市の中心駅であるJR清水駅で下車。

 改築されて立派になっている清水駅。もっとも、駅の商業施設が充実しているわけでは・・・ないようです。

 さて、清水駅から西へ少し歩き、清水銀座という商店街がある場所が、かつての江尻宿です。かつての繁華街は、そのまま現在の繁華街・・・にしては、ちょっと活気が失せている感はありますが、ともあれ現在も賑わっています。ただ、往時の面影が残る建物などはなく、見たところ解説板も特に設置されておらず、ただ江戸時代後期に創業したという、お茶屋さんが、歴史を感じさせてくれました。

 今度は静岡鉄道に乗車。新清水駅と新静岡駅を結ぶ鉄道で、なんと数分間隔で運行されています。しかも、2両編成とはいえ、きちんとした鉄道車両にお客が次々と乗ってくる。さすがは政令指定都市というのもありますが、やはり運行間隔と適度な駅間距離が乗客獲得の成功要因でしょう。ただ、JRの駅といずれも離れているのと、もう少し清水区に活気があれば・・・。

 静岡市葵区に到着。静岡鉄道新静岡駅の直ぐ前が、かつての駿府城跡(駿府公園)であり官公庁も集結。駿府城前に建つ静岡市役所は、このように実に特徴的なデザインをしていますが、これは1934(昭和9)年の建築。塔屋が実に素敵です。

 一方、向かい側に建つ静岡県庁本庁舎は、いわゆる帝冠様式の堅固な雰囲気の建築。1937(昭和12)年築。
 ちなみに、周囲には東館(18F)・西館(10F)、新館(20F)という高層ビルに変貌した静岡県庁の庁舎群に囲まれています。県庁の建物で、これだけ高層ビルがあるというのは、ちょっと珍しい・・・。

 さて、駿府城本丸へ。
 駿府城といえば、この人です。徳川家康の本拠&隠居の城。老年期の家康が、鷹狩の鷹を手に持った像が建立され、シンボルとなっております。 

 天守閣は家康の城にふさわしく、このような形をしていたと考えられていますが、1635(寛永12)年に焼失して以降、再建されなかった上、明治になって天守台の石垣まで壊されてしまった始末。実に残念です。

 こちらは駿府城下復元模型。

 さて、駿府城の見所の1つは復元された二ノ丸の東御門・巽櫓です。先ほど紹介した模型も、ここで展示されています。
 また、木造で復元されているため、なかなか内部の構造も見るべきところがあります。

 そして新幹線に乗って小田原へ戻ります。ここでデューク所員と別れ、藤沢に向けて帰るのか・・・と思いきや、急に「そうだ、小田原の宿場町跡ってどんな感じかな?」と思い、行くことにしました。写真は、改築された小田原駅。

 小田原駅から南に海岸方面に向かって歩き、現在の国道1号線に出ます。意外や意外(?)、小田原宿をテーマにした建物も発見。完全に存在が無視されている、先ほどの江尻宿(静岡市清水区)とは大きな違いです。

 箱根方面を見ます。さすがに、現役バリバリの国道1号線である以上、拡幅もされています。

 どうやら江戸時代には御用商人を務めた家による薬局。建物もかなりの年季が入っています。

 ある意味で小田原城よりも立派な城郭風の建築は、小田原銘菓の「ういろう」の老舗。
 実際にあった建物を、戦後になって鉄筋コンクリートでさらに壮大にスケールアップして建築したようです。
 ・・・いや、本当になかなか迫力があって素敵ですね。

 と、これだけ見て、ようやく満足して(?)本当に帰路に着くのでした。