DEC700形


(写真:山陽本線 瀬戸〜上道/撮影:リン)

●基本データ

デビュー年:2021(令和3)年
最高速度:110km/h
保有会社:JR西日本

●試運転が続けられる次世代気動車

 DEC700形は、JR西日本が試験運用を行う両運転台の電気式気動車で、1両が誕生。さらなる安全性・安定性・快適性の向上と電車・気動車のシステム共通化によるメンテナンス技術の向上と効率化を図り、また次世代車両への転換に向けた各種技術検証を実施することを目的に開発された。。

 外観は227系にも似た雰囲気で、衝撃吸収構造を採用しているが切妻断面である。また、ラインカラーは中国地域色である黄色を採用している。また、側面(上写真とは反対側)に形式を表した楽譜のデザインが描かれているが、「列車が走ることで流れるメロディに乗るように、お客様や沿線の皆さんの日常を明るく快適にすることを表現」したものである。

 車内は2+1列の転換クロスシートを配置。バリアフリー対応トイレや車いすスペースの設置も行われ、営業運転を前提にした室内構成となっている。

 システム面では、ATSの2重化のほか、大阪環状線の323系などで見られる「EB-N装置」を搭載。これは、運転台のマスコン・ブレーキハンドルにスイッチを設置し、スイッチを放すと5秒後にブレーキが掛かる安全装置である。また、駆動面ではディーゼルエンジンで発電機を回し発電した電力で、モーターを駆動し走行するが、走行用バッテリーを追加することで、将来的にはハイブリッド方式に変更することも可能である。

 下関総合車両所新山口支所に配置され、山陽本線や山陰本線などで試運転が行われている。ちなみに、広島地区の227系0番台と同様、車体前面・側面の種別・行先表示器にカープ坊やのイラストを表示することが可能である。

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