ED40形  

 
鉄道博物館で保存されている10号機。
(写真:鉄道博物館/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1919(大正8)年
元保有会社:国鉄、東武鉄道駿豆鉄道岳南鉄道南海電鉄など

●碓氷峠用と思いきや、意外と全国に足跡を残す

 1919(大正8)年から製造された鉄道省(のち国鉄)の電気機関車で、今は無き信越本線の横川〜軽井沢間の難所、碓氷峠を車両を牽引して登るための車両である。当時、碓氷峠で採用されていたラック式鉄道のアプト式に対応し、車両側に取り付けた歯車(ピニオンギア)と、地上側の歯状レール(ラックレール)をかみ合わせて走行した。
※注:アプト式は、あくまでラック式鉄道の1形態。アプト式のほか、リッゲンバッハ、シュトループ、ロヒャーなど別方式も存在し、基本原理は上記の通りながらも、装置が多少異なっている。

 国鉄からは1952(昭和27)年までに全車が引退し、一部はアプト式用の機器を取り外して東武鉄道、駿豆鉄道(のち伊豆箱根鉄道駿豆線)、南海電鉄などへ譲渡(一部はさらに再譲渡もあり)。鉄道博物館に10号機が保存されているが、これは1921(大正10)年製。約23年間、碓氷峠で活躍した後、東武鉄道に売却されたものが、引退後に国鉄に寄贈され、大宮工場で保管されていたものである。

●外観


背面の様子。
(写真:鉄道博物館/撮影:裏辺金好)

独特な形状の車輪。何とも力強そうな雰囲気である。
(写真:鉄道博物館/撮影:裏辺金好)

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