EF55形電気機関車


V字ラインが美しい飾り。
(撮影地:高崎車両センター/写真:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1936(昭和11)年
元保有会社:国鉄、JR東日本

●「ムーミン」の愛称で親しまれていた流線形ブームの生き残り

 国鉄の前身である鉄道省が導入した電気機関車で、日立製作所、日本車輌製造&東洋電機、川崎造船所&川崎車両で1両ずつ計3両が製造された。流線型が美しい先頭形状は、当時流行であった流線形(ストリームライナー)ブームの影響を強く受けたもの。ただし、第2エンド側は切妻形状となっており、デザインは前後対称ではない。

 登場当初は、沼津機関区に配属されて東海道本線の特急「つばめ」「富士」の牽引などに従事したが、最高速度が95km/hであることから流線型の形状がスピードにアップに寄与することは無く、終着駅で転車台を使って方向転換するという手間が発生するだけになってしまった。このため、その後の増備は見送られている。

 1952(昭和27)年に高崎第二機関区に転属したが、やはり運用しづらいことから、1962(昭和37)年にEF55 3号機が試作交直流両用電気機関車であるED30形1号機に機器を流用するために廃車。さらに1964(昭和39)年に2号機が廃車解体され、1号機は、国鉄の教育施設である中央鉄道学園に教習用に転用された。

 1974(昭和53)年に1号機が準鉄道記念物に指定され、中央鉄道学園の閉所後は高崎第二機関区で静態保存されていたが、なんと1986(昭和61)年に大宮工場で動態復元され、車籍復帰が実現。その後は、「EF55奥利根号」などを中心に活躍して人気を博していた。

 しかし旧型電機故に交換部品の入手が困難になり、整備士なども希少となりつつあるため2008年度末を以って営業列車から引退。その後は高崎車両センターで静態保存され、イベント時に公開されていたが、2015(平成27)年4月から鉄道博物館で保存展示されている。

●ギャラリー


逆エンド側
(撮影地:上越線 水上駅/写真:リン)

2008年の引退運転時の模様。
(写真:上越線 上牧駅/撮影:リン)

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