EF63形電気機関車
登場時の茶色に塗られて保存されている1号機。
(写真:碓氷峠鉄道文化むら/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1962(昭和37)年元保有会社:国鉄、JR東日本
●峠のシェルパ、ロクサン
碓氷峠(横川〜軽井沢)のアプト式から粘着運転方式の切換えに伴い、補助機関車としてEF62形と同時に開発されたもの。1976(昭和51)年までに25両が製造され、電磁吸着ブレーキ(台車に設置されたコイル励磁により電磁石をレールに接触させ、電気を流すことによる強力なブレーキ)、遊輪を用いることによる過速度検知装置(OSR)、ロックシリング装置(勾配区間停車中の転勤を防止)など、勾配区間を安全走行するための独特な保安装置を装備しているのが特徴である。また、電車と連結運転を行うため電車の密着連結器にも対応した双頭連結器を装備し、169系、189系、489系と協調運転するための装置を装備している。ちなみに1次型(2〜13)と2次型(14〜21)で外観が異なり、スカート2エンド側の双頭式連結器用切換コック位置や前面クリーム警戒色の縦幅、テールライト(1次型が小判形内バメ式、2次型が内バメ式)などが差異である。なお、3次型(22〜25)はテールライトが外ハメ式となっている。
重連で特急「あさま」などと協調運転する姿は多くのファンを魅了し続けてきたが、1997(平成9)年の長野新幹線開業に伴い全車両が引退。しかし、幸いにも多くの車両が残存し、11、12、24、25号機が碓氷峠鉄道文化むらで動態保存、1、10、18号機が碓氷峠鉄道文化むらで静態保存、2号機が軽井沢駅で静態保存、15、19号機が長野総合車両センターで静態保存、22号機が碓氷峠の森公園交流館 峠の湯で静態保存、13号機がカットモデルで大宮総合車両センターで保存されており、製造両数と比較すると、かなりの残存率である。
●ギャラリー
碓氷峠専用機として活躍。現在でもゆかりの地で動態保存されており、講習を受ければ自ら運転するチャンスもある。
(写真:碓氷峠鉄道文化むら/撮影:裏辺金好)