H100形一般形気動車
(写真:釧網本線 釧路駅/撮影:リン)
●基本データ
デビュー年:2018(平成30)年 ※営業運転開始は2020(令和2)年保有会社:JR北海道、北海道高速鉄道開発
運転区間:函館本線、富良野線、宗谷本線、石北本線、室蘭本線、根室本線
●JR東日本のGV-E400系に準じた新たな主力
JR北海道が老朽化したキハ40系置き換えのために投入した車両で、川崎重工製。同時期に開発されたJR東日本のGV-E400系気動車と基本設計を同一にした酷寒地対策バージョンで、両社で初となるディーゼルエンジンと発電機で発電した電気により、モーターで走行する電気式気動車。愛称は「DECMO(デクモ)」。Diesel Electric Car with MOtorsの略である。これまでの「キハ」を形式名に使わず、北海道の頭文字であるHを採用している。両運転台のH100形(車いす対応の洋式トイレあり)のみが導入されており、片運転台車両は存在しない。車体はステンレス製で、車体の全長はキハ40系より若干短め19.5m。また、最高運転速度は100km/hで、キハ40系よりも5km/hアップしている。
車内はロングシートとボックスシート(2人掛けと4人掛け)を備えるほか、扉横の座席には大型の袖仕切を設置して、外気が直接座席へ入り込まないように設計されている。外観は「新しさ・北海道らしさを表現したエクステリアデザイン」として、グリーンとホワイト(自然との調和)、前面のブラックに黄色(警戒色)とし、内装の配色は「北海道らしさを表現したインテリアデザイン」としてグリーン(優先席はオレンジ)の座席モケットや、ドア横のパーティーションにブルーを採用している。
2020(令和2)3月14日改正から、函館本線の小樽〜長万部間を中心に運用を開始(早朝に札幌〜然別間の運用あり)したのを皮切りに、大量増備が行われてJR北海道の大半のエリアで見られるようになっている。
このうち、2022(令和4)年度と2023(令和5)年度に投入される8両は、北海道高速鉄道開発株式会社が所有する観光列車兼用車で、JR北海道へ無償貸与する形を取るとともに、外観は運用線区に応じたラッピング、内装はテーブルの設置など特別なものが施されている。
●車内の様子
車内中央部はクロスシート(2+1列)3区画で、その他をロングシートとしたセミクロスシート。モケットの色は一般席がグリーン、優先席がオレンジ路である。また、バリアフリー対応トイレを備える。
(写真:釧網本線 釧路駅/撮影:リン)
●カラーバリエーションなど
観光兼用車であるH100-82「釧網線」ラッピング車両。
(写真:釧網本線 釧路駅/撮影:リン)
運用開始に向けて川崎重工兵庫工場から甲種輸送される。
(写真:東海道本線 元町駅/撮影:ひょん君)