キハ141系一般形気動車


50系客車は足回りを変え、キハ141系として通勤・通学の足とて活躍中。キハ40系と連結して運用することもある。
(写真:札沼線 新川駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1990(平成2)年
保有会社:JR北海道、JR東日本、ミャンマー国鉄
運行区間:釜石線
元運行区間:室蘭本線、函館本線、千歳線、札沼線

●客車改造の異色の気動車

 北海道では、昭和50年代に投入された客車50系(オハフ51形)が道内各地を走っていたが、乗客数の割に機関車の連結等、手間とコストがかかっていた。そのため客車に運転台とディーゼルエンジンを取り付け、気動車として改造したのが、本系列である。前面は貫通扉を持ち先頭車同士で連結&行き来可能な構造に設計されている。

 また後に、冷房装置を搭載した車両、さらに中間車のまま気動車改造した車両も誕生し、こちらは種車の雰囲気をよく残している。登場から長らく札沼線を中心に活躍してきたが、2012(平成24)年6月1日の桑園駅〜北海道医療大学駅間電化開業に伴い多くが運用を離脱。さらに10月27日改正で全面的に運用を離脱し、キハ143形がワンマン化改造の上で、室蘭本線の東室蘭〜苫小牧間を中心に運用されている。同区間は電化されているが、711系電車を置き換えて運転を開始した。

 このほか、札幌発〜東室蘭行き(2726D)と室蘭発札幌行き(2849D)にキハ143形が使用されており(2012年11月現在)、キハ141系は千歳線でも見られるようになったが、2023(令和5)年5月19日に室蘭本線系統での運用を終了し、全車が運用を離脱した。

 なお、2024(令和6)年1月1日付の北海道新聞によると、2026(令和8)年春をめどに、食事ができるラウンジ席や茶室などを備えた豪華観光列車「赤い星」と「青い星」(いずれも仮称)に、約17億円をかけて改造されることが報道されている。

 一夫、JR東日本に4両が売却され、2014(平成26)年4月12日から営業運転を開始した、C58 239号機牽引の「SL銀河」用の客車として使用されている。「銀河鉄道」をイメージし、世界的な工業デザイナーでKEN OKUYAMA DESIGN 代表の奥山 清行氏のプロデュースによる改造が施され、指定席車及びオープンスペース車からなる4両編成となった。

 C58 239号機は釜石線を中心に運転されるが、途中の勾配区間でC58が客車を牽引して走行することが困難であるため、客車改造でディーゼルエンジン搭載の本系列に白羽の矢が立ったものである。なお、キハ141系の老朽化に伴い2023(令和5)年6月11日の運用を以て引退した。

 このほか、一部はミャンマー国鉄へ売却されてJR北海道色のまま営業運転を開始している。

●カラーバリエーション



JR東日本が「SL銀河」用に4両(キハ142-201、キサハ144-103、キサハ144-101、キハ143-155)を購入。青系統の塗装だが、花巻方から釜石方にかけて、色調が濃くなるのが特徴。車番はキハ142-701、キサハ144-702、キサハ144-701、キハ143-701となった。
(写真:東北本線 盛岡駅/撮影:裏辺金好)

●ギャラリー(JR北海道所属車)


札沼線運用からの離脱後は、行先方向幕を「ワンマン」に変更。
(写真:室蘭本線 白老〜社台/撮影:デューク)

●車内の様子(JR北海道所属車)


客車時代の雰囲気を残しているが、ロングシート部分の増設とクロスシート部分の3列化(2列+1列)が行われている。
(撮影:デューク)

SL銀河用の車両は、宮沢賢治の生きた大正から昭和の世界観をイメージした車内。
(撮影:裏辺金好)

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