キハ261系特急形気動車
最初に登場したキハ261系0番台。キハ283系より後の登場だが、愛称表示はLEDではない。
(写真:特急スーパー宗谷 旭川駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:2000(平成12)年保有会社:JR北海道
最高速度:130km/h
使用列車:北斗、とかち、おおぞら、宗谷、サロベツ
元使用列車:スーパーとかち、スーパー北斗、スーパー宗谷
運転区間:宗谷本線、函館本線、千歳線、石勝線、根室本線
●長期間にわたる増備で北海道の主力特急車両に
札幌〜稚内を結ぶ優等列車には、一般形気動車を改造したキハ400系による急行が運転されていたが、特急に格上げに伴い一部には新型気動車を投入することになった。既に実績のあるキハ281系、キハ283系特急、及び一般形ながら高性能を誇るキハ201系をベースとして誕生したのが、このキハ261系である。インテリアなどはJR北海道とデンマーク国鉄との共同であるのが特徴。振り子式のシステムを搭載する他のJR北海道の新型気動車とは異なり、宗谷本線の輸送量や地上設備を考慮し、キハ261系はジャイロで遠心力を感知して車体を傾けるという、簡易システムの搭載となった。そのため、この車両は振り子式の車両には分類されていない。それまでの急行列車(キハ400系)に比べ40分程度の所要時間短縮を果たし、日本最北の地・稚内と札幌を結び快走する。
さらに2007(平成19)年10月改正で特急「スーパーとかち」(札幌〜帯広)で運用を開始した1000番台は性能を向上させたほか、前面形状などが789系0番台と似たデザインへ変更され、さらに側面はダルフィニッシュ加工が施された平板を用いたことで、ビード加工を廃した。また、2014(平成26)年7月からは、軌道や車両への負担を考慮して車体傾斜装置を使用停止(※2015年度以降の増備車は当初から装置非搭載)。側面ロゴは「Tilt261」から「HET261」へ順次変更が進められている。
2015(平成27)年12月からはキハ261系1000番台に対して塗装変更を実施。「伸びやかなイメージ」「雄大な大地」をテーマに、前面を白(貫通扉は警戒色として黄色)、側面から前面にかけては紫と灰色の水平の帯を配する。なお、0番台には適用されない一方、今後の増備車はこの塗装となる模様。2016(平成28)年3月26日改正では、北海道新幹線開業に合わせて増発された特急「スーパー北斗」3往復へ新規投入されている。
2017(平成29)年3月4日改正では、稚内方面の特急網再編に伴い、キハ261系0番台は特急「宗谷」(札幌〜稚内)、特急「サロベツ」(旭川〜稚内)で運用されることに。
そして、キハ285系の開発を断念したことに伴い、本系列がJR北海道の標準特急気動車として増備が続けられ、2020(令和2)年3月14日改正では特急「おおぞら」にも投入を開始したほか、同年10月からは団体臨時や修学旅行など多目的の輸送に対応し、フリースペース車を組み込んだ5000番台が登場している。
●キハ261系1000番台
札幌〜帯広の特急「スーパーとかち」に投入されたキハ261系1000番台。0番台とはライト形状やアクセントカラー等が異なる。
(写真:特急スーパーとかち 函館本線 札幌駅/撮影:デューク)
キハ261系1000番台新塗装。2015(平成27)年12月から登場しているもので、北国に降り積もる雪をイメージした白色、ラベンダー、ライラックをイメージした紫色、菜の花畑をイメージした黄色を配している。
(写真:特急スーパーとかち 函館本線 札幌駅/撮影:リン)
●キハ261系5000番台
2020(令和2)年10月に登場したキハ261系5000番台「はなます編成」。花の色をイメージした赤紫色を前頭部やドア周辺に配色している。
(写真:宗谷本線 旭川四条駅/撮影:リン)
2021(令和3)年5月に登場したキハ261系5000番台「ラベンダー編成」。花の色をイメージした紫色を前頭部やドア周辺に配色している。なお、第三セクター「北海道高速鉄道開発」が取得・保有し、JR北海道へ無償貸与する形をとっている。
(写真:特急サロベツ 宗谷本線 北永山〜比布/撮影:リン)
●ロゴマーク(0番台)
Tilt261 Active Air Suspension Systemのロゴ。
(撮影:裏辺金好)
●ロゴマーク(1000番台)
こちらもTilt261 Active Air Suspension Systemのロゴ。
(撮影:リン)
車体傾斜装置の使用停止に伴い、「HET261」ロゴマークに変更が実施された。
(撮影:裏辺金好)