キハ31形・キハ32形一般形気動車


JR四国色のキハ32。小型の車両で、需要の少ない路線には最適。
(写真:予讃線 八幡浜駅/撮影:裏辺金好)

基本データ

デビュー年:1986(昭和61)年
保有会社(キハ32形):JR四国
元保有会社(キハ31形):JR九州、くま川鉄道
運転区間:瀬戸大橋線、予讃線、予土線、土讃線
元運転区間:豊肥本線、日豊本線、日南線、筑豊本線、後藤寺線、鹿児島本線、三角線、肥薩線、くまがわ鉄道湯前線など

●運行経費削減に貢献したか

 国鉄が、民営化後に経営が苦しいと予想されるJR四国、JR九州向けに遺産として投入した車両で、扉がバス用の折り戸となっているのが印象的である。

 キハ31はJR九州向け。
 ステンレス車体で、17m級と小型なのが特徴。冷房を装備し、またワンマン運転にも対応。座席は2+1の転換シートである。2004(平成16)年になって1両が「くまがわ鉄道」に売却されているが、2013(平成25)年に廃車された。また、2019(平成31)年3月16日改正ではJR九州からも引退した。

 キハ32はJR四国向け。
 こちらはステンレスではなく鋼製で、16m級とキハ31よりさらに小型。もちろんワンマン運転に対応し、さらに車内はロングシート。JR四国発足後、コーポレートカラーである水色に塗装変更。また、JR四国がトロッコ用に製造した車両も存在し、好評を博して運転中。こちらは全身緑色で、顔つきも一般用とは大きく異なっている。基本的に特急型のキハ185に連結されて運転される。

 この中で異色の存在が、2014(平成26)年3月に登場した予土線の観光列車「鉄道ホビートレイン」。何と、0系新幹線風に改造したもので、片側に0系風の丸みを帯びた団子鼻を取り付け、車内は実際に0系で使われたシート4席を配置し、鉄道模型を展示している。

▼カラーバリエーション


JR九州のキハ31形。415系同様、青色の帯を巻く。
(写真:鹿児島本線 熊本駅/撮影:裏辺金好)

くま川鉄道に譲渡されたキハ31形。
(写真:湯前線 人吉駅/撮影:リン)

海洋堂ホビートレインとして運転されるキハ32形。
(写真:予土線 伊予宮野下〜二名/撮影:リン)


2013年7月14日から、海洋堂ホビートレインはリニューアルされて運転中。
(写真1枚目:予土線 江川崎駅/撮影:リン)
(写真2枚目:予土線 宇和島駅/撮影:リン)


2016年7月3日から、海洋堂ホビートレインは3代目塗装となって運転中。「四万十川に伝わるかっぱ達」をイメージし、「かっぱうようよ号」と名付けられた。
(写真1枚目:予土線 江川崎駅/撮影:リン)
(写真2枚目:予土線 江川崎〜半家/撮影:リン)

JR四国の「鉄道ホビートレイン」。あくまで運転台の位置は変わらないため、0系のデザインとミックスすると、このような姿に。
(写真:牟岐線 由岐〜阿波福井/撮影:リン)

JR四国の「鉄道ホビートレイン」。片側は大きく改造はされておらず、0系風のデザインを車体に描いた。
(写真:牟岐線 阿波海南駅/撮影:リン)

2017年9月から2019年11月まで「志国高知 幕末維新号」で運用されたキクハ32‐501。幕末に活躍した坂本龍馬、中岡慎太郎、岩崎弥太郎、武市半平太、吉村虎太郎を描いている。
(写真:土讃線 高知駅/撮影:リン)


2020(令和2)年10月から徳島線で運転を開始した「藍よしのがわトロッコ」用キクハ32−501。志国高知 幕末維新号を改装したもの。
(写真1枚目:徳島線 阿波池田駅/撮影:リン)
(写真2枚目:徳島線 阿波山川〜川田/撮影:リン)

瀬戸大橋トロッコ号などで運転されていた頃のキクハ32‐502。床下の一部が透明で、下が見えるのが最大の特徴。
(写真:瀬戸大橋線 岡山駅/撮影:裏辺金好)

キクハ32‐502の2代目塗装。アンパンマン塗装に変更された。
(写真:予讃線 端岡〜国分/撮影:裏辺金好)

キクハ32‐502の3代目塗装。アンパンマンをテーマにしたまま、2015(平成27)年に大規模なイメージチェンジ。
(写真:瀬戸大橋線 岡山駅/撮影:リン)

○車内の様子


キハ31形の車内の様子
(撮影:リン)

キクハ32−502の車内。
(撮影:裏辺金好)

海洋堂ホビートレイン用キハ32形の車内。
(撮影:リン)

海洋堂ホビートレイン用キハ32形の車内。フィギュアケースまで設置されている。
(撮影:リン)

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