キハ85系特急形気動車
ステンレス車体にオレンジ色の帯、そして白い顔は、これ以後JR東海の標準的な特急デザインとなった(371系を除く)。
(写真:特急ひだ 尾張一宮駅/撮影:デューク)
●基本データ
デビュー年:1988(昭和63)年 ※営業運転開始は翌年保有会社:京都丹後鉄道
元保有会社:JR東海
最高速度:120km/h
使用列車:たんごリレー
元使用列車:ひだ、南紀
運転区間:京都丹後鉄道宮福線、宮豊線、宮舞線
元運転区間:東海道本線、高山本線、関西本線、紀勢本線、伊勢鉄道線
●ワイドビューの愛称は伊達ではない
キハ85系は、国鉄キハ80系特急形気動車置き換えのために、1988(昭和63)年にJR東海初の特急形気動車として誕生した車両。1989(平成元)年2月18日から、特急「ひだ」(名古屋〜高山など)で運用を開始し、1992(平成4)年3月14日からは特急「南紀」(名古屋〜新宮など)にも投入され、キハ80系を全て置き換えた。これ以後、JR東海の殆どの特急につけられることになる”ワイドビュー”という愛称を最初に冠した車両で、その名にふさわしく非常に開放的で窓から景色を眺めやすくなっている他、居住性もキハ80に比べて大幅に向上。また、アメリカ合衆国のカミンズ社製の強力なエンジンを搭載した他、先頭車両の形状は非貫通型と、増結を考慮した貫通型の2種類が存在し、需要に柔軟に対応している。さらに、小ぶりながら絵入りトレインマークも付く。
2022(令和4)年7月から、後継車両としてHC85系の営業運転が開始され、2023(令和5)年3月18日ダイヤ改正で特急「ひだ」、2023(令和5)年6月30日に特急「南紀」からキハ85系が引退し、同年7月9日に団体列車「さよならキハ85系」として10両編成で運転され、有終の美を飾っている。
一方で、2023(令和5)年にキハ85系4両が京都丹後鉄道へ譲渡されてKTR8500形気動車に形式変更。うち2両(キハ85-12→KTR8501、キハ85-3→KTR8502)が2024(令和6)年3月16日改正から営業運転に就いており、特急「たんごリレー」や快速列車を中心に土日に限定運用。現時点では内装や外装の変更されておらず、種別・行先表示もJR東海に準じてデザインされている。
○キハ85系貫通型先頭車
キハ82系に引き続いて増結を考慮した先頭車両も用意されている。
(写真:東海道本線 山崎駅付近/撮影:デューク)
○高山本線全通80周年記念ラッピング車
2014年10月にキハ85 12に施されたラッピング。
(写真:東海道本線 名古屋駅/撮影:裏辺金好)
○京都丹後鉄道譲渡車
キハ85-12がKTR8501、キハ85-3がKTR8502に改番されている。
(写真:宮福線 宮村駅/撮影:リン)
種別・行先表示器はJR東海時代を踏襲。所属表記風の「丹ツル」の文字は目立つデザインに。
(写真:宮福線 宮村駅/撮影:リン)
○車内の様子
普通車の車内。座席の床面を200mm嵩上げしたセミハイデッキ構造が特徴で、座席のモケットの色は3タイプ存在。
(撮影:ネオン)
普通車の車内。こちらは座席背面から。モケットは赤系統の色。
(撮影:ネオン)