L0系


初代新幹線である「0系」の名前を受け継いだL0系。
(写真:リニア見学センター/撮影:裏辺金好)

●基本データ・運用区間

デビュー年:2013(平成25)年
保有会社:JR東海
営業最高速度:500km/h
運用区間:中央新幹線(山梨リニア実験線)

●営業運転を見据えた本格車両

 JR東海が山梨リニア実験線の延伸(24.4km)に合わせて投入したもの。2027年開業予定の中央新幹線(品川〜名古屋間)への営業運転を前提に開発され、L0系として新幹線同様の形式名・車両番号が与えらえた。

 2009(平成21)年に改造されたMLX01−901Aをベースとした車体形状を持っており、角型の車体断面と15mのノーズを持つ。また、塗装は従来車が窓周りと屋根に2本の青いラインを巻いていたのに対し、窓上に2本の青いラインとし、窓下に2本の青いラインを巻くN700系に似た雰囲気となった。

 当初は5両編成で試験を開始し、2013(平成25)年9月から7両編成に増強。さらに、2014(平成26)年6月25日から12両編成での試験運転を開始している。なお、2014(平成26)年11月〜12月、2015(平成27)年3月には一般向けの体験乗車が行われるが、7両編成で走行している。

 2015(平成27)年4月21日には、鉄道として世界最高速度である603km/hで走行。

 2020(令和2)年3月には、改良型である950番台が登場。先頭車1両が(株)日立製作所、中間車1両が日本車輌製造(株)で製造され、既存のL0系と組み合わせて走行試験が行われている。システム的には、営業車両の仕様である誘導集電方式を全面的に採用するため、ガスタービン発電装置を搭載していないのが特徴である。

 外観上の違いは、先頭車の前照灯および前方視認用カメラの位置を上部に変更し、カラーリングは進化し続ける躍動感と新しい先頭形状での滑らかな空気の流れを、青の流線デザインによりイメージしたデザインに変更されている。また、先頭形状の最適化が行われ、凹凸を際立たせたほか、先端部は丸みを帯びた形に変更されている。

 内装面では白を基調としたデザインとし、明るい車内空間を演出したほか、膜素材を活用することで、車内の反射音を低減。さらに、背もたれの高さや座席幅の拡大、リクライニングと連動して沈み込む座面の採用など、乗り心地の改善を行っている。

 さらに2025(令和7)年7月には環境負荷の軽減を目的に、中間車の改良型であるM10が1両登場。 日立製作所と日本車輌製造が設計し、日立製作所で製造されたもので、車体表面へサメの肌を模倣した構造の「リブレットフィルム」を採用したほか、台車周りの形状最適化により空気抵抗を約1%削減(16両換算)したほか、高温超電導磁石専用の車両設計とし、車両機器構成を最適化している。

 外観面では、無塗装のシルバーのボディに、高速に流れる光をイメージしたゴールドのラインを配した未来感のあるデザインとしており、従来車両から大きく変化している。内装はシックなデザインを基調に、落ち着いた色味の腰掛を配置している。

●形式ガイドなど


M10を含めたL0系改良型試験車を3両組み込んだ状態のL0系(5両編成)。
(写真:リニア見学センター/撮影:裏辺金好)

名古屋方の先頭車であるL21−901
(写真:リニア見学センター/撮影:裏辺金好)

中間車の1つ、L26−902
(写真:リニア見学センター/撮影:裏辺金好)

中間車の1つ、L25−906
(写真:リニア見学センター/撮影:裏辺金好)

東京方の先頭車、L22−901
(写真:リニア見学センター/撮影:裏辺金好)

L0系の改良型として製造された先頭車、L22−951
(写真:リニア見学センター/撮影:裏辺金好)

L0系の改良型として製造された中間車、L25−951。窓が従来の17から15に変更されている。
(写真:リニア見学センター/撮影:裏辺金好)

L0系の改良型として製造された中間車、M10形(L25−952)。無塗装のシルバーボディにゴールドのラインを配したデザイン。
(写真:リニア見学センター/撮影:裏辺金好)

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