Ｅ２６系客車
トレインマークはＬＥＤ方式を採用。上写真は上野寄りの１号車スロネフＥ２６。特Ａ個室「カシオペア・スイート」を持つ。
（写真：千歳線 白石駅／撮影：裏辺金好）
●基本データ・運用区間
デビュー年：１９９９（平成１１）年保有会社：ＪＲ東日本
使用列車：カシオペア
●JR東日本が開発した豪華寝台客車
衰退する寝台特急の中でも好調を維持していた寝台特急「北斗星」だったが、使用される２４系の老朽化や設備の陳腐化が目立ってきており、よりグレードの高い設備と、個室車両のニーズにも応える新車両が求められていた。そこでＪＲ東日本は２４系以来となる新型車両として、このＥ２６系を開発。列車愛称も新たに「カシオペア」を与え、１９９９（平成１１）年７月１６日の札幌行きより営業運転を開始し、その豪華な設備は現在でも好評を博している。客車として初めてステンレス車体を採用し、ブルートレインのイメージから大幅に変更。客室は全て個室とし、さらに便所と洗面所も個室ごとに設置している。なお、２４系と同じく電源車から電源を供給する方式を採用しており、Ｅ２６系オリジナル車両としてはカハフＥ２６が製造される一方、故障に備えて２４系のカニ２４ ５１０を改造したカヤ２７ ５０１が準備されている。
２０１６（平成２８）年３月２６日の北海道新幹線（新青森〜新函館北斗）開業に伴い運転を終了することになり、地上設備改修工事の兼ね合いで、新幹線開業に先立つ同年３月２１日に廃止。
２０１６（平成２８）年６月からは旅行会社主催のツアー専用列車として復活。３４名の定員で貸し切り、東北と北海道を周遊する３泊４日の「カシオペアクルーズ」と、従来とほぼ同じダイヤで上野〜札幌間を走行する「カシオペア紀行」の２種類が設定されているが、北海道乗り入れは２０１７（平成２９）年２月２６日始発の札幌発上野終着を以て終了している。
●寝台車、カラーバリエーション一覧、車内の様子など
こちらは札幌方の先頭車であるカハフＥ２６。スロネフＥ２６とはトレインマークの位置が異なる。なお、ハイデッカー構造の展望ラウンジ車両である。
（写真：函館本線 崎守〜黄金／撮影：裏辺金好）
２４系から改造されたカヤ２７形。カハフＥ２６形の予備として使用する電源車で、客室は設けられていない。
（写真：尾久車両センター／撮影：裏辺金好）
●形式ガイド
スロネフE26-1
上野方の1号車で、A寝台「カシオペアスイート」。展望室のある平屋タイプ1室とメゾネット（２段構造）タイプ３室で構成。各室とも便所・洗面所・シャワー室を備えるほか、デッキ寄りに車掌室と機器室がある。富士重工製。
（写真：山手線 日暮里駅または鶯谷駅より／撮影：裏辺金好 ※以下特記を除き全て）
スロネE26-1
２号車で、A寝台「カシオペアスイート」（メゾネットタイプ３室）と、平屋タイプのA寝台「カシオペアデラックス」１室で構成。デッキ付近にトイレを設置。製造は富士重工。
マシE26-1
３号車で、ダブルデッカー構造の食堂車「ダイニングカー」。階上に定員２８名の食堂、階下に食堂従業員用の寝台と便所を備える。また、調理室はデッキ寄りに設置。東急車輛で製造。
スロネE27-101
４号車で、A寝台「カシオペアツイン」を１０室設けているが、デッキ寄りは車椅子対応タイプで便所、洗面所、側扉を広くしている。新潟鉄工で製造。
スロネE27-402
５号車で、A寝台「カシオペアツイン」。ミニロビーが設置されている。製造は新潟鉄工。
スロネE27-302
６号車で、A寝台「カシオペアツイン」。100番台との違いは、共用トイレではなくシャワー室が設置されていること。富士重工で製造。
スロネE27-202
７号車で、A寝台「カシオペアツイン」。共用トイレが設置されている。東急車輛で製造。
スロネE27-1
８号車で、A寝台「カシオペアツイン」。車端寄りの２室が平屋タイプ、他の８室は階上、階下にそれぞれ４室持つ。また、機器室とリネン室を設置。東急車輛で製造。
スロネE27-401
９号車で、A寝台「カシオペアツイン」（ミニロビー付）。新潟鉄工でで製造。
スロネE27-301
１０号車で、A寝台「カシオペアツイン」（シャワー室付）。富士重工で製造。
スロネE27-201
１１号車で、A寝台「カシオペアツイン」。東急車輛で製造。
カハフE26-1
１２号車で、ハイデッカー構造のラウンジカーで、１８席分のソファーを設置。連結面側の車端部に業務用扉・車掌室・公衆電話・売店用スペースを設け、床下空間には発電設備として、小松製ののDMF15AHZ-G型ディーゼルエンジン（定格出力520ps）と440kVAの三相交流発電機とを２組装備。新潟鐵工所が製造した構体をJR東日本大宮工場（現：大宮総合車両センター）で製作。
（写真1枚目は函館本線 札幌駅）
