N700S系新幹線
N700S系先行量産車。N700系に比べてエッジの立った(側面が少しふっくらとした)先頭形状と、LEDが採用されたライト、運転室のドア付近から前部へ伸びる1本のラインが特徴。
(写真:東海道新幹線 名古屋駅/撮影:リン)
●基本データ
デビュー年:2018年(量産先行車)保有会社:JR東海、JR西日本、JR九州
最高速度:300km/h
運行区間:東海道新幹線、山陽新幹線、西九州新幹線
●短編成化や海外展開を見越した最高のN700系
JR東海が2020(令和2)年7月1日から営業運転を開始した新幹線車両。N700Sの「S」は「Supreme(スプリーム:最高)」を表している。基本的な雰囲気はN700系(N700A系)と変わらないが、先頭形状は「デュアルスプリームウィング」と呼ばれる形状へ進化させ、トンネルに入った際に発生する「微気圧波」や走行時の騒音をさらに軽減。また、前照灯にLEDを採用した。
システム面では駆動装置を半分以下のサイズに小型化し、1車両にこれまでより多くの機器が搭載可能になったことから、従来の8車種から4車種に削減。これによって容易に短編成化が可能となった。
車内は普通車を含めて全席にコンセントを設置。照明は普通車、グリーン車ともにLEDによる間接照明を採用したほか、荷棚にも照明を設置し、停車駅に近づいた際に明るくすることで荷物の置き忘れがないよう注意を促す仕掛けとなっている。さらに小型・大容量のバッテリーを搭載し、停電した場合でも3号車・11号車のトイレが使用可能となっている。
このほか、車内に設置されている車内テロップは液晶画面とし、画面サイズは従来より50%拡大されている。
2022(令和4)年9月23日改正では西九州新幹線(武雄温泉〜長崎)が開業し、JR九州のN700S(8000番台)が運用を開始した。6両編成×4本=24両が日立製作所笠戸事業所で製造され、水戸岡鋭冶氏デザインの内外装となっている。なお、グリーン車は設定されておらず、指定席車が2+2列、自由席車は2+3列である。
今後は台湾新幹線向けにN700Sが導入される予定である。
●西九州新幹線用N700S(8000番台)
JR九州のコーポレートカラーである赤を帯や車体下部に配し、水戸岡鋭冶氏のデザインらしくロゴマークを多数配置。
(写真:西九州新幹線 諫早駅/撮影:リン)
側面のデザイン。列車名のロゴマークを描くのは、登場時の800系「つばめ」と同じスタイル。
(写真:西九州新幹線 嬉野温泉駅/撮影:リン)
●車内の様子(東海道・山陽新幹線用N700S)
普通車の様子。座席は背もたれと座面が連動するほか、全席のひじ掛けにコンセントが設置されている。また、間接照明が採用され、停車駅に近づくと荷棚にある荷物の取り忘れが無いよう、荷棚周りの照度が上がるのが特徴。さらに、壁面の形状がN700系から大幅に変更され、荷棚の下にあった空調吹き出し口は、壁と一体化されスッキリとした雰囲気に。
(撮影:裏辺金好)
グリーン車の様子。こちらも間接照明が採用されたほか、荷棚と一体化した大型の側面パネルを採用。また、シートの色がN700系よりも濃い茶色となっている。また、足元空間が広がっている。
(撮影:裏辺金好)
車内テロップはN700系のLED表示から液晶に変更されたほか、画面サイズが50%アップしている。上段では列車名や行き先、ドアが開く方向の他、現在位置を表示することも。
(撮影:裏辺金好)
デッキ及びトイレ周りの様子。トイレは停電時のバッテリー走行時にも一部が使用可能となった。
(撮影:裏辺金好)
●外観
N700S系の先頭車側面
(写真:東海道新幹線 名古屋駅/撮影:リン)
ロゴマーク
(写真:東海道新幹線 名古屋駅/撮影:リン)
側面の愛称・行先表示
(写真:東海道新幹線 名古屋駅/撮影:リン)