223系/5000系一般形電車
東海道本線・山陽本線の新快速用223系2000番台。このほか、ライト回りなどがやや異なる1000番台等も存在。
(写真:東海道本線 高槻〜山崎/撮影:デューク)
●基本データ
デビュー年:1993(平成5)年保有会社:JR西日本、JR四国
運行区間:東海道本線、山陽本線、北陸本線、湖西線、草津線、大阪環状線、阪和線、紀勢本線、関西空港線、山陰本線、福知山線、舞鶴線、紀勢本線、赤穂線、瀬戸大橋線、予讃線など
元運行区間:JR東西線、片町線、おおさか東線、関西本線
●さらに高品質・高速の新快速&マリンライナーへ
JR関西圏と瀬戸大橋線を代表する車両である223系。主に4地域で活躍しており、1つは1993(平成5)年に登場した、関西国際空港アクセスのために投入されたグループ。大型荷物の持ち込みに配慮し、座席が1+2席であるのが特徴である。さらに外国のお客に対応するため、車内案内も2カ国語である。最初に投入された0番台のほか、後に2000番台をベースに投入された2500番台が存在している。
次に東海道・山陽線に投入した1000番台と2000番台は、近郊型電車では初めて130km/hで運転が行う高速車両。ちなみにライト形状や塗装等が関西空港用とはやや異なるため、一見違う車両のように見える。一方、2008(平成20)年には221系の性能に合わせた6000番台も登場している。運転区間が長く、姫路〜米原を基本に、西は赤穂線の播州赤穂から、北は北陸本線の敦賀まで運用。
さらに、福知山地区では521系の直流版とも言える5500番台が2008(平成20)年に登場。113系3800番台等の置き換えのために投入され、2両編成を組む。
残る1つは、2003(平成15)年10月から瀬戸大橋線で快速「マリンライナー」として運用を開始した5000番台で、こちらはJR四国も5000系の名前で車両を保有し、5000系にはグリーン車&2階建ての先頭車も連結している。このほか223系には、在来線技術試験車U@tech(ユーテック)用先頭車(9000番台)が存在している。
なお、2008(平成20)年3月に「おおさか東線」が開業したことに伴い、JR東西線を経由する尼崎〜奈良間の直通快速でも運用を開始したが、こちらは2011(平成23)年3月改正で207系などに運用を譲った。
また、2018(平成30)年からリニューアル車が登場。外観面では種別幕のフルカラーLED化、行先表示の白色LED化、前照灯のLED化等が実施されている。
さらに2019(平成31)年3月16日からは、網干・姫路〜野洲駅間で有料座席サービス 新快速「Aシート」の連結を開始。12両編成の新快速のうち、9号車を有料座席とし、車内設備を刷新。リクライニング機能、テーブルつき座席の設置や、JR西日本の在来線(普通車)で初となる全席コンセント設置、無料Wi-Fiサービスの提供、荷物スペースの設置が行われている。
●形態&バリエーション一覧
主に関西空港線、阪和線で活躍する0番台。関西国際空港のイメージカラーである青と白のグラデーション帯を巻く。
(写真:阪和線 浅香駅/撮影:裏辺金好)
主に関西空港線、阪和線で活躍する223系のうち、後に投入された2500番台は、前照灯の形状を変更した。
(写真:阪和線 浅香駅/撮影:リン)
東海道本線・山陽本線用の223系1000番台。前述の2000番台とは前照灯の形状が異なり、側面はビードが付けられている。
(写真:東海道本線 桂川駅/撮影:裏辺金好)
2019年3月から運転を開始したAシート。まずはクハ222-1007、クハ222-1008の2両が改造された。なお、窓廻りは黒、窓下は青+白の帯に塗装変更。さらに乗降ドアが閉鎖されたほか、開口する乗降ドアは黄色いラインでアクセントされている。
(写真:東海道本線 京都駅/撮影:鐵)
貫通扉と乗務員扉にオレンジ色のラインが2本追加された223系6000番台。223系2000番台をベースに、221系の運用に入れるよう性能を調整したグループ。東海道・山陽線のほか、おおさか東線でも活躍する。
(写真:東海道本線 三ノ宮駅/撮影:裏辺金好)
ワンマン運転に対応した福知山線・山陰本線・舞鶴線用の5500番台も、6000番台と同様の性能とオレンジ色の帯を持つが、前面形状は平面的に変更され、下の5000番台に近い。
(写真:福知山線 福知山駅/撮影:リン)
瀬戸大橋線用の5000番台。2000番台をベースにしつつ、併結運転を考慮して貫通幌が設置された上、前面が平面的な形状となったほか、側面窓周りの茶色い部分は上下方向に縮小されている。
(写真:予讃線 高松駅/撮影:裏辺金好)
快速マリンライナーで運用されるJR四国5000系&JR西日本223系。5000系の先頭車のうち、高松方は2階建て車両。
(写真:瀬戸大橋線 岡山駅/撮影:リン)
快速マリンライナーで運用されるJR四国5000系&JR西日本223系。こちらの5000系2階建ては赤系統の塗装。
(写真:瀬戸大橋線 高松駅/撮影:リン)
2014(平成26)年に運転されたNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」ラッピング。223系網干車W25編成とW27編成に側面へ全面ラッピングを施している。
(写真:山陽本線 姫路駅/撮影:リン)
2021(令和3)年3月13日にから運転を開始した、223系R02編成による「森の京都QRトレイン〜Quality and Relaxing Train〜」。“森の京都”を表現する茶、黒、金を使用し、モチーフとして地域ゆかりの花や樹木、鳥を配置した全面ラッピングが特徴。
なお、“森の京都”とは、豊かな自然に抱かれた京都府の亀岡市、南丹市、京丹波町、福知山市、綾部市、京都市右京区京北の6市町からなるエリアのこと。また、QRとは“森の京都”の自然や食、文化が持つ「Quality(上質な)・Relaxing(くつろいだ気分にさせる)」の頭文字と、スマートフォンなどで読み取るQRコードを掛けたものである。
(写真:京都鉄道博物館付近/撮影:裏辺金好)
試験車両U@techとして登場した車両。3両1編成だが、223系なのはこの車両(クモヤ223−9001)だけで、川崎重工が保有していた223系2000番台の試作車を改造したもの。あとは213系からの改造である。2019年3月31日付をもって廃車された。
(写真:湖西線 唐崎駅/撮影:リン)
●車内の様子
223系2000番台の運転台。
(撮影:うめ吉)
223系2000番台の車内。
(撮影:裏辺金好)
223系1000番台「Aシート」車内。ひじ掛けにはコンセントが設置されている。
(撮影:リン)
5000系の2階建てグリーン車(2階)車内。
(撮影:リン)
5000系の2階建て車両の指定席(1階)車内。
(撮影:リン)
側面表示は回転幕(種別)+LED(行先)。
(撮影:裏辺金好)
関空・紀州路快速で運用されている223系0番台の車内。座席は、青色の1+2列の転換クロスシートで、0番台(2500番台)だけの特徴である。 (撮影:うめ吉) |
0番台は、クハ222のトイレの前に固定式のボックスシートが設置されている。 (撮影:うめ吉) |
223系1000番台の固定式シートの扉側にある収納補助シート、ラッシュ時等にロックがかかり使用できない時には『使用不可』をランプ表示できる様になっている (撮影:うめ吉) |