287系特急形電車
683系の貫通型とよく似ているが、ライトの配置など細かい部分で変化が見られる。なお、北近畿系統のアクセントカラーはダークレッド。
(写真:特急「こうのとり」 東海道本線 大阪駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:2010(平成22)年 (営業運転開始は翌年)最高速度:130km/h
使用列車:こうのとり、きのさき、はしだて、まいづる、くろしお
運行区間:大阪環状線、阪和線、紀勢本線、山陰本線、福知山線、東海道本線、京都タンゴ鉄道宮福線、宮舞線
保有会社:JR西日本
●JR西日本の直流型特急車両の決定版
北近畿ビッグXネットワーク系統の特急列車に使用されている183系及び、特急「くろしお」系統に使用されている381系を置き換えるために登場した車両。先に登場した683系4000番台と非常によく似た印象だが、前面がやや丸みを帯びた形状をしており、灯具類の配置も下に移動するなどやや変化が見られる。なお、683系4000番台と同じく前面は貫通構造となっているが、6・4両編成の城崎温泉方先頭車は準備工事のみにとどまっている。
また、同時期に登場した225系に続き、前面を衝撃吸収構造とするなど、安全対策を強化したのも特徴である。
2011(平成23)年3月12日改正より、特急「こうのとり」「きのさき」などの北近畿ビッグXネットワーク系統の特急で運転を開始。さらに2012(平成24)年3月17日改正では、特急「くろしお」にも投入され、京阪神と南紀を結ぶ特急の顔としてもデビューしている。
2017(平成29)年8月5日からは、和歌山県のテーマパーク「アドベンチャーワールド」とコラボした「パンダくろしお」(「パンダくろしお『Smileアドベンチャートレイン』)の運転を開始。車両前頭部や座席のヘッドカバーにパンダの顔がデザインされたほか、側面にはアドベンチャーワールドの様々な動物たちの写真が大きくラッピングされている。
○カラーバリエーション
「くろしお」用287系は、アクセントカラーがオーシャンブルーとなっている。
(写真:特急「くろしお」 大阪環状線 野田駅/撮影:リン)
2024(令和6)年2月から運転されている「KYOTO SANGA TRAIN」。京都サンガF.C.のチームカラーである紫を基調に、海の京都DMOを表す青、森の京都DMOを表す茶色を取り入れ、京都サンガF.C.と各DMOとのコラボを表現している。3両編成、4両編成の2本が存在。
(写真:特急「まいづる」 山陰本線 梅小路京都西駅/撮影:裏辺金好)
○パンダくろしお「Smileアドベンチャートレイン」
JR西日本が2017(平成29)年で発足30周年、和歌山・アドベンチャーワールドが2018(平成30)年で開園40周年を迎えたことをきっかけに登場し、2編成が運行。「旅に『ときめき』を」がデザインコンセプトで、車体前頭部をパンダフェイス、車体にはパークで躍動する動物たちのさまざまなシーンをデザイン。無機質だった287系の顔が一転してパンダに変身!
(写真:特急「くろしお」 大阪環状線 野田駅/撮影:裏辺金好)
新大阪方より。6号車はジャイアントパンダファミリーがテーマ。
(写真:大阪環状線 天王寺駅/撮影:裏辺金好)
5号車はサファリワールドがテーマ。
(写真1枚目:大阪環状線 野田駅/撮影:裏辺金好)
(写真2枚目:大阪環状線 天王寺駅/撮影:裏辺金好)
新大阪方より。4号車はマリンワールドがテーマ。
(写真1枚目:大阪環状線 野田駅/撮影:裏辺金好)
(写真2枚目:大阪環状線 天王寺駅/撮影:裏辺金好)
新大阪方より。3号車はエンジョイワールドがテーマ。
(写真:大阪環状線 野田駅/撮影:裏辺金好)
新大阪方より。2号車はナイトアドベンチャーがテーマ。
(写真:大阪環状線 野田駅/撮影:裏辺金好)
新大阪方より。1号車はジャイアントパンダファミリーがテーマ。
(写真:大阪環状線 野田駅/撮影:裏辺金好)
○パンダくろしお「サステナブルSmileトレイン」
第3編成として追加で登場したもので、正面にジャイアントパンダの親子を描いたほか、各車両にSDGsの17のゴール(目標)のうち6つをテーマに人と動物と自然が豊かに暮らす世界をデザインしている。(写真:特急「くろしお」 東海道本線 新大阪駅/撮影:裏辺金好 ※以下すべて)
1号車は、ジャイアントパンダも人も健康で安心して暮らせる世界を実現し、親から子へ贈り継いでいくデザイン。
2号車は、ジェンダー平等、女性・女児が平等に権利を持つ社会をテーマにライオンやキリンのオス・メスを描き、性別に関係なくそれぞれが輝く社会をデザイン。
3号車は、クリーンなエネルギーによって、子供たち、動物たちがSmileあふれる豊かな世界が実現しているデザイン。
4号車は、人も動物も多様性にあふれ持続可能な社会で格差なく、だれ一人、何一つ取り残さない社会を実現したデザイン。
5号車は、海の豊かさをテーマに美しい海でイルカやホッキョクグマが生き生きと暮らし、人間と共存するデザイン。
6号車は、これからもジャイアントパンダが生き生きと暮らす社会に貢献することをイメージしたデザイン。