415系一般形電車
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JR東日本の415系。長らく常磐線と水戸線で活躍してきたが、E531系投入により引退した。
(写真:常磐線 柏駅/撮影:デューク)
●基本データ
デビュー年:1971(昭和46)年運行区間:鹿児島本線、日豊本線、長崎本線、佐世保線
元運行区間:常磐線、水戸線、七尾線、北陸本線
●ステンレス車体も存在する3種類の415系
403系や423系といった系列を統合し、50hz/60hz両対応の近郊型電車として誕生。まず113系などと同様のデザインで登場した。その後、数次にわたり量産され、それに伴い細かいバリエーションが登場。常磐線や九州北部で順次、運転を開始している。
ところが、1986(昭和61)年登場の車両(1500番台)は、がらりと印象を変更した。211系に準じたステンレス車体と白いマスクの顔に変更となった。また、JR東日本では2階建ての先頭車を1両試作。これは、後にオール2階建て電車の215系として華開くが、415系ではこの先頭車1両だけで製造が終了。しかも、215系は415系が走る常磐線にはやってこない。
なお、JR東日本の415系は0番台などの普通鋼製車両が2007(平成19)年3月改正で全車が引退。ステンレス車体の1500番台も上野口からは撤退し、常磐線友部〜原ノ町間など、水戸周辺での運用に限られるようになったが、それも2016(平成28)年3月26日改正で全運用を離脱した。
一方でJR九州の415系は2022(令和4)年9月23日改正で普通鋼製車両(100番台、500番台)が全廃され、大分、鹿児島地区から引退している。
また、改造車両としてはJR西日本が七尾線用に投入した車両(800番台)がある。こちらは、平成3年に七尾線電化に合わせ、特急型電車485系の交流機器をはずして113系に装備させたものである。2021(令和3)年3月13日改正で引退した。
●バリエーション一覧
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登場時の415系の塗装。2000年からJR九州で、2001年からJR東日本でリバイバルしたことがあった。どちらも現在では見られない。
(写真:鹿児島本線 門司駅/撮影:裏辺金好)
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JR九州の415系。常磐線の415系と似た塗装だが、屋根下にも青いラインが1本入る。
(写真:鹿児島本線 博多駅/撮影:裏辺金好)
小倉総合車両センター「工場まつり2011」で展示された「安全伝車」。車両の右半分は通常の九州カラーだが、左半分は一体・・・。
(写真:小倉総合車両センター/撮影:AC20kV-DC1500V)
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常磐線と水戸線を走る211系タイプの415系1500番台。JR九州にも同型が存在するが(→下写真)、JR東日本車は帯の色がJR九州車よりも濃くなっている。。
(写真:水戸線 下館駅/撮影:裏辺金好)
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鹿児島本線・日豊本線を走る211系タイプの顔つき、415系1500番台。
(写真:鹿児島本線 小倉駅/撮影:裏辺金好)
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七尾線を走る415系800番台は、元々は113系を改造したもので、本家の415系とは関係はない。登場時の塗装は下3分の1をグレー、車体中央に白いラインを配し、上部は先頭車が青、中間車がピンクという塗り分けだった。
(写真:北陸本線 金沢駅/撮影:裏辺金好)
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単色化を進めるJR西日本が七尾線の415系800番台に採用したのは、輪島塗をイメージした赤系統の色。
(写真:七尾線 免田〜宝達/撮影:CH様 禁転載)
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七尾線の415系800番台は、2011年以降にラッピング編成も数多く誕生。こちらは「七尾とうはくん号」。
(写真:七尾線 七尾駅/撮影:裏辺金好)
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2012年7月に415系800番台に施されたラッピング車「国宝長谷川等伯号」。
(撮影:CH ※禁転載)
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2012年7月に415系800番台に施されたラッピング車「国宝長谷川等伯号」。編成の前後でラッピングデザインが異なる。
(撮影:CH ※禁転載)
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JR九州の415系のうち「よかトピア」用に変更された塗装。1989年3月17日から9月3日まで、福岡市制100周年を記念した「アジア太平洋博覧会’89」(よかトピア)@「シーサイドももち」のPR塗装でヘッドマークはイメージキャラクターである「太平くんと洋子ちゃん」。故手塚治虫氏がデザインしたもの。
(写真:鹿児島本線 博多駅/撮影:もこてん)
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JR東日本の常磐線でただ1両活躍していた415系2階建て車両(クハ415-1901)だが、試作的要素のまま終わり、E531系投入に伴い運用離脱。2006年に解体された。
(写真:常磐線 上野駅/撮影:もこてん)
●車内の様子
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JR九州クハ411−329の車内。
(撮影:うめ吉)
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JR九州の415系は、オールロングシート化された車両も存在している。
(撮影:裏辺金好)
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113系から改造された、七尾線用のJR西日本415系の車内。意外にも、JR九州415系とほぼ同じデザイン。(撮影:うめ吉)
●細部
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JR九州415系の方向幕。
(撮影:裏辺金好)
●形式ガイド
▼0番台
415系0番台は2グループに別れ、1971(昭和46)年に登場した12両は車体、機器関係は401系・423系に準じている。1974(昭和49)年から登場した65両は側窓のユニット化、前照灯のシールドビーム化、冷房の搭載(一部は準備工事)などの仕様の変更が行われた。
クハ411−301〜
(クハ411−310 常磐線 高萩駅/撮影;与太郎)
昭和49年から39両が製造された後期制御車で、300〜の付番となっている(クハ411の0番台は存在しない)。301〜306は非ユニットサッシ非冷房で307〜はユニットサッシ新製冷房車で登場した。CPと便所があり冷房車(冷改車も)は偶数向き車に冷房用MG(160kVA)が搭載されている。
なお、新製冷房車は片栓受けとなり方転して使用出来なくなっている(冷改車も冷房の引き通しの関係で方転不可か冷房使用不可の条件付きとなっていると思われる。)。
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モハ414−5〜
(モハ402−12 常磐線 高萩駅/撮影:与太郎)
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モハ415−1〜
(モハ415−5 常磐線 高萩駅/撮影:与太郎) モハ415、モハ414は交流50/60Hz両用車。1〜3のユニットは非ユニットサッシ非冷房で4〜のユニットはユニットサッシ新製冷房車で登場した。
▼100番台
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クハ411−101〜
(クハ411−124 鹿児島本線 竹下駅/撮影:裏辺金好)
0番台のシートピッチ拡大車で奇数向き制御車でCPを搭載している。便所はついていない。
なお、写真の車両はJR九州所属車両で、ベンチレーターの撤去や車内のロングシート化等が行われている。
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クハ411−201〜
(クハ411−221 常磐線 高萩駅/撮影:与太郎)
0番台のシートピッチ拡大車で偶数向き制御車。CPと冷房用MG(160kVA)を搭載し、便所が設置されている。
モハ415−101〜
(モハ415−111 鹿児島本線 崇城大学前/撮影:ロクマルサン)
モハ415−101〜、モハ414−101〜は、0番台のシートピッチ拡大車。このうち127・128のユニットはベンチレーターが角形となり、700番台のクロスシート仕様といった様相である。 なお、JR九州所属車両は、ベンチレーターの撤去や車内のロングシート化等が行われている。
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モハ414−101〜
(モハ414−107 鹿児島本線 門司駅/撮影:裏辺金好)
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サハ411−1〜
(車番不明 郡山総合車両センター/撮影:与太郎)
0番台を名乗っているが、100番台同様シートピッチが拡大されている。CPと冷房用MG(160kVA)を搭載し便所は設置されていない。ベンチレーターは角形で700番台のクロスシート仕様といった様相である。
▼500番台
1982(昭和57)年に登場した近郊形では初めてのオールロングシート車。
クハ411−501〜
(クハ411−511 常磐線 高萩駅/撮影;与太郎)
クハ411−100〜をロングシートとした車両。ベンチレーターは角形となっている。
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クハ411−601〜
(クハ411−612 常磐線 高萩駅/撮影;与太郎)
クハ411−200〜をロングシートとした車両。ベンチレーターは角形となっている。
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モハ414−501〜
(モハ414−512 常磐線 高萩駅/撮影:与太郎)
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モハ415−501〜
(モハ415−512 常磐線 高萩駅/撮影:与太郎)
モハ414/415−100〜をロングシートとした車両。ベンチレーターは角形となっている。
▼700番台
「つくば・科学万博」の観客輸送対応に伴う12両→15両化のために、1984(昭和59)年に登場したセミクロス車。
モハ414−701〜
(モハ414−723 常磐線 高萩駅/撮影;与太郎)
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モハ415−701〜
(モハ415−723 常磐線 高萩駅/撮影;与太郎)
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サハ411−701〜
(モハ402−12 常磐線 高萩駅/撮影:与太郎)
サハ411−1〜をセミロングシートとした車両。
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クハ411−701
(モハ403−12 山手線 秋葉原駅/撮影:与太郎)
サハ411−707を奇数向き先頭車に改造した車両で、1両のみの存在。外観はクハ411−500〜とほぼ同じだが、サハ時代の名残でMG冷却用ルーバーが残っている(奇数向きなのでMGは非搭載。改造時に撤去?)。CPを搭載し、便所は設置されていない。
▼1500番台グループ(1700番台、1900番台もここに含む)
ステンレス車両の211系の車体、台車に415系の機器を踏襲した車両。従来車両との連結も可能である。
クハ411−1501〜
(クハ411−1523 常磐線 取手駅/撮影;裏辺金好)
ステンレス車体の奇数向き制御車。車内はロングシートでCP、MG、便所は設置されていない。
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クハ411−1601〜
(クハ411−1601 長崎本線 鳥栖駅/撮影;裏辺金好)
ステンレス車体の偶数向き制御車。車内はロングシートでCP2基と冷房用MG(190kVA)を搭載し、便所を設置。なお、写真はJR東日本からJR九州へ譲渡された編成。
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クハ415−1901
(クハ415−1901 常磐線 高萩駅/撮影:与太郎)
2階建てのステンレス車体の奇数向き制御車で、座席定員を増やすため1両が試作車として作られた。2階席の座席は2+3の配置。CP、MG、便所は設置されていない。
モハ414/モハ415−1501〜
ステンレス車体で、車内はロングシートとなっている。
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サハ411−1601
(サハ411−1601 常磐線 高萩駅/撮影:与太郎)
ステンレス車体で1形式1両の珍車。車内はロングシートで、415系のサハでは唯一のロングシート車。CP2基と冷房用MG(190kVA)を搭載し便所は存在しない。
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サハ411−1701
(モハ403−12 常磐線 高萩駅/撮影:与太郎)
ステンレス車体で1形式1両の珍車で、車内は415系のステンレス車で唯一セミロングシート。CP2基と冷房用MG(190kVA)を搭載し、便所は設置されていない。