455・457・475系急行形電車
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富山港線の路面電車化を記念し、2005年に北陸で復活した国鉄色。ちなみにJR九州でも2000年に復活している。
(写真:北陸本線 高岡駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ・運用区間
デビュー年:1965(昭和40)年(455系、475系)、1969(昭和44)年(457系)保有会社:JR東日本(鉄道博物館)、えちごトキめき鉄道
元保有会社:JR西日本
最高速度:110km/h
元・使用列車:ざおう、まつしま、あおば、立山、くずりゅう、玄海、錦江、日南など(以上全て急行)
元・運行区間:東北本線、磐越西線、常磐線、仙山線、北陸本線、七尾線、IRいしかわ鉄道線、山陽本線、富山港線、鹿児島本線、日豊本線など
●最後の「急行形」電車として活躍
401系・421系近郊型電車の急行型バージョン451系(50Hz用)&そのパワーアップ型の453系、60Hz用の471系から続く急行型車両である。なお、455系は50Hzのみ、475系は60Hzのみ対応だが、457系は50/60Hz両対応となっている。ああ、何とややこしい。元々は東北本線・北陸本線・山陽本線などの急行で活躍していたが、新幹線開業後は山陽本線から撤退。さらに、急行列車そのものが整理されて消滅してしまい、国鉄末期から東北・北陸・九州南部で3両編成を基本に、普通列車・快速列車として運転されるようになって今に至る。さらに、先頭車化改造の他、色々と小改造も実施され、ライト周りを中心に、微妙に顔つきが変わっている車両も多数存在。
2ドアかつデッキ付きの急行車両のため、通勤通学輸送には不向きで、国鉄末期に一部が413系などに改造された。さらにJR化後は新型車両の投入に伴い廃車が進められ、JR東日本からは2008(平成20)年3月、JR西日本からは2015(平成27)年3月、JR九州からは2007(平成19)年3月に定期運用を離脱している。その後も413系に連結されているクハ455形のみは、北陸地区で引き続き活躍を続けていたが、2021(令和3)年3月13日改正で定期運用を離脱した。
このまま全車が引退するかに見えたが、なんとクハ455−701が413系3両と共に、えちごトキめき鉄道へ譲渡。国鉄急行色に復元の上で2021(令和3)年5月から観光列車として土休日に運転されることになった。また、JR東日本の鉄道博物館に3両が保存されている(うち1両は国鉄色に復元)。
●カラーバリエーション
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東北本線などで運用された455系東北地区一般色。運用末期は、前面種別幕がLED方式へ改造された。現在は鉄道博物館で2両が休憩用車両として保存され、高崎線の車内から見ることも出来る。
(写真:東北本線 福島駅/撮影:デューク)
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仙山線で活躍した455系は青をベースとした塗装となり、JR九州のような形式名と路線名のレタリングも。
(写真:仙山線 仙台駅/撮影:武蔵野通信局 ※禁転載)
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福島〜会津若松の磐越西線で活躍した455系は、仙山線色と配色を変えて登場。JR九州のような赤い車両&レタリングだった。仙山線色同様、ライト周りの改造にも注目。
(写真:磐越西線 猪苗代駅/撮影:裏辺金好)
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2005年の「あいづデスティネーションキャンペーン」に合わせて、マスコットキャラクターの「赤べこ」が車体前面、側面に貼られた磐越西線の455系。
(写真:磐越西線 会津若松駅/撮影:裏辺金好)
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北陸地区の457系・475系旧北陸色。不評だったか、程なく白に青いラインの塗装に変更され、短命に終わった。
(写真:北陸本線 米原駅/撮影:ムスタファ)
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北陸本線のローカル電車一般に採用されている塗装。JR発足後まもなく塗り替えられたもので、長らくこの塗装のまま定着している。
(写真:北陸本線 高岡〜西高岡/撮影:裏辺金好)
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単色化を進めるJR西日本が北陸本線の車両に採用した、青一色の塗装。
(写真:北陸本線 有間川駅/撮影:裏辺金好)
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2015(平成27)年3月改正で413系の七尾線運用が開始されたことに伴い、同系列に連結されるクハ455形の一部は七尾線カラーに塗装変更された。
(写真:七尾線 津幡駅/撮影:CH ※禁転載)
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九州の国鉄型一般電車に採用された塗装。なお、JR九州の475系は、主に南九州で続けていたが、2007年に415系に置き換えられ引退した。
(写真:日豊本線 霧島神宮駅 撮影:裏辺金好)
●車内の様子
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北陸本線475系の運転台。
(撮影:うめ吉)
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北陸本線475系の車内。急行型車両らしくデッキもあり、室内もボックス&ロングのセミクロス仕様。すっきりした印象だが、通路が狭く、併せて2扉+デッキなど多客地域でのラッシュ時の普通車として使いづらい面も。
(解説・撮影:うめ吉)
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磐越西線用455系(クハ455)の車内。こちらもセミクロス仕様で、モケットは緑色。
(撮影:裏辺金好)