E531系一般形電車
前面は白い縁(ふち)で覆われているかと思いきや、下3分の1は銀色。また、側面はE231系とほぼ同じだが前面デザインは新パターン。
(写真:常磐線 金町駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:2006(平成18)年保有会社:JR東日本
運転区間:常磐線、水戸線、東海道本線(上野東京ライン)、東北本線
●常磐線を中心に幅広く運用される交直流電車
常磐線を長年走っている近郊型交直流電車403系、415系(ステンレス車を除く)を置き換えるべく登場した車両で、E231系をベースに交直流方式となった。10両編成と5両編成の2パターンが存在し、セミクロスシートは10両編成中4両、5両編成中3両としている。特徴は、同年開業の「つくばエクスプレス」による130km/hを意識し、JR東日本の一般型(通勤型・近郊型)としては初の130km/hの性能を誇ること。また、E231系よりも腰掛けの幅を10mm拡大とした460mm、そのクッションの厚みも15mm増やして70mmに、さらにバリアフリーに配慮し床面高さもE231系より35mm低い1130mmとした。
2005(平成17)年7月改正より、まずは特別快速運用で登場。また、東北本線、高崎線などでのグリーン車運用の好調を受け、2007(平成19)年3月からはE531系にも連結されるようになり、同時に常磐線上野口の普通列車は全てE531系に統一された。
2015(平成27)年3月14日改正で上野東京ラインが開業すると、東海道本線の品川駅まで乗り入れを開始している。また、2017(平成29)年10月14日からは、黒磯駅構内が直流電化となり、代わって黒磯〜高久間に直流・交流電化の境目としてデッドセクションが設置されたことにより、東北本線の黒磯〜新白河間にも投入されている。
ちなみに、これに先立ち2015(平成27)年10月から投入されている5両編成7本は、準耐寒耐雪仕様へカスタマイズの上で製造されており、3000番台に区分されている。また、付属編成については順次、ワンマン運転に対応するため、車体側面に安全確認カメラとホーム検知装置が設置されている。
2017(平成29)年には基本編成10両×4本、2019(令和元)年に付属編成5両×2本が追加投入され、現在は基本10両編成×26本=260両、付属5両編成33本=165両、合計425両の大所帯となっている。
●カラーバリエーション
2021(令和3)年11月から運転を開始した赤電色。る勝田車両センターの操業60周年を記念したもので、かつて401系などに施されていた小豆色とクリーム色のツートンカラーを再現。K451編成に施されている。
(写真:常磐線 上野〜日暮里=1枚目、東海道本線 東京駅=2枚目/撮影:裏辺金好)
●車内の様子
普通車(セミクロスシート)の車内
(撮影:裏辺金好)
普通車(ロングシート)の車内
(撮影:裏辺金好)
グリーン車(2階席)の車内。
(撮影:裏辺金好)
▼細部など
前面表示器。列車番号と種別、行先などが一体表示。
(撮影:裏辺金好)
側面の種別・行先表示。
(撮影:裏辺金好)
側面の種別・行先表示。こちらはワンマン表示。
(撮影:裏辺金好)
●形式ガイド
▼基本番台
クハE531−1〜
(クハE531−18 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
基本編成の勝田方先頭車。車内はセミクロスシート。
サハE531−2001〜
(サハE531−2007 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
当初は5号車に連結されていたロングシートの付随車。その後グリーン車の連結に伴い、9号車に組み込まれた。
モハE531−2001〜
(モハE531−2018 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
VVVFを搭載。
モハE530−2001〜
(モハE530−2018 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
VVVF・SIVを搭載。
サハE530−2001〜
(サハE530−2017 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
CPを搭載。
サロE531−1〜
(サロE531−15 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
当初の計画を変更して連結されることになったグリーン車。トイレと洗面所を備える。
サロE530−1〜
(サロE530−15 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
乗務員室・業務用室を備える。
モハE531−1001〜
(モハE531−1018 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
VVVFを搭載。
モハE530−1〜
(モハE530−18 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
セミクロスシート車。VVVF・SIVを搭載。
クハE530−1〜
(クハE530−18 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
基本編成の上野・品川方先頭車。車内はセミクロスシート。CPを搭載。
クハE531−1001〜
(クハE531−1011 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
付属編成の勝田方先頭車。車内はセミクロスシート。
モハE531−1〜
(モハE531−11 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
セミクロスシート車。VVVFを搭載。
モハE530−1001〜
(モハE530−1011 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
VVVF・SIVを搭載。
クハE530−2001〜
(クハE530−2011 常磐線 上野駅/撮影:ロクマルサン)
付属編成の上野・品川方先頭車。CPを搭載。
▼3000番台
2015(平成27)年度から導入されている準耐寒耐雪仕様車。いずれも5両編成で、既存の1000番台に3000がプラスされている。また、後にワンマン運転に対応した「安全確認カメラ」と「ホーム検知装置」が取り付けられている。クハE530−5001〜
(クハE530−5001 東北本線 黒磯駅/撮影:裏辺金好)
付属編成の上野・品川方先頭車(東北本線では黒磯方先頭車)。車内はロングシートで、バリアフリー対応トイレを設置。
モハE530−4001〜
(モハE530−4007 東北本線 黒磯駅/撮影:裏辺金好)
中間電動車で、車内はロングシート。
モハE531−3001〜
(モハE531−3007 東北本線 黒磯駅/撮影:裏辺金好)
中間電動車で、パンタグラフを装備。車内はセミクロスシート。
サハE531−3001〜
(サハE531−3007 東北本線 黒磯駅/撮影:裏辺金好)
中間附随車で、車内はセミクロスシート。
クハE531−4001〜
(クハE531−4007 東北本線 黒磯駅/撮影:裏辺金好)
勝田方先頭車(東北本線では新白河方先頭車)で、車内はセミクロスシート。