711系一般形電車


(写真:函館本線 白石駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ・運用区間

デビュー年:1967(昭和42)年(試作車)、1968(昭和43)年(量産車)
元運転区間:函館本線、札沼線、室蘭本線、千歳線

●北海道初の電車

 711系は、1968(昭和43)年の北海道で初めての電化に際し運転を開始した、記念すべき車両である。寒冷地での運用のため、登場当初は車体の両端にそれぞれ扉をつけるという、急行電車的な車体を持つ。

 しかし、札幌近郊での通勤通学ラッシュに対応できなくなり、1987年より、かなりの車両が真ん中にも扉を増設し、多くの乗客が乗降しやすいよう、改造された。 まだまだ現役だが、後継車両の登場により初期車は廃車となっている。また、3両編成が基本で(試作車は2両編成で登場)、時間帯により2編成連結で、6両でも運転。

 2012(平成24)年5月にはS−114編成が、同年6月からS−110編成が国鉄色にリバイバル。どちらも非冷房2扉車であり、国鉄時代の雰囲気が再現されている。そして、2012(平成24)年10月27日改正では、室蘭本線と千歳線の運用から離脱。代わって新たに、6月に電化された札沼線で運転を開始し、函館本線(小樽〜札幌〜旭川)と札沼線(札幌〜桑園〜北海道医療大学)を中心とした運行に改められた。

 しかし後継車両として733系の投入が進められた結果、2015(平成27)年3月14日改正で全車両が運用を離脱し、歴史に幕を下ろした。

●711系バリエーション一覧


登場時の塗装に復元された711系900番台。900番台は1999(平成11)年に運転を終了。
(写真:苗穂工場/撮影:裏辺金好)

ラッシュ時対策のため、先頭車の一部は3扉に改造されている。
(写真:函館本線 岩見沢駅/撮影:裏辺金好)

国鉄色に復元された711系S−114編成。
(写真:函館本線 滝川駅/撮影:裏辺金好)

国鉄色に復元された711系S−110編成。こちらは、現行の助士席窓部のステッカー撤去と、貫通扉部の列車番号表示器を復元。
(写真:函館本線 発寒駅/撮影:裏辺金好)

●車内の様子


オリジナルである2扉の車内。
(撮影:裏辺金好)

3扉に改造された車内。増設された中央の扉付近も、他と同様にデッキで仕切られている。
(撮影:裏辺金好)

↑ PAGE TOP