715系
国鉄(→JR東日本)東北地域の715系。こちらは、583系の面影を残している先頭車両。
(写真:東北本線 金谷川〜松川/撮影:daikiti様)
●基本データ
デビュー年:1984(昭和59)年元・運行区間:東北本線、常磐線、鹿児島本線、長崎本線など
保有会社:JR東日本・JR九州/元・保有会社:国鉄
●581・583系の再利用
国鉄も末期に近づくと、九州の長崎地区、東北の仙台地区で運用されている客車・気動車を電車に置き換えるべく、新型電車の投入が検討されたが、国鉄の財政悪化によって実現は難しく、713系も少量の製造になってしまった。そこで、山陽新幹線開業後などに使い道が無く、大量に余剰車両になっていた581、583系特急型電車を普通電車に改造することになった。しかし、なるべく早く、後継の新型電車を投入することにした国鉄は小改造にとどめることにした。こうして完成した715系は、室内も含めて、ほぼ、581系、583系の面影を残す結果となったが、その分、普段の利用にはかなり厳しいものに仕上がっている。
さて、715系は交流専用車両で、4両で1編成をくみ、先頭車は、特急時代の面影を残す物と、中間車からの改造である平面顔、通称「食パン顔」の2つが存在する。なお、その後も新型電車の登場は大幅に遅れ、JRになっても活躍。結局、九州では813系の増備により1998(平成10)年までに全車廃車、奇しくも同じ年に東北地区も701系に置き換えられ、全車引退した。
なお同様の趣旨で誕生した、交直流両対応の419系は21世紀になっても生き残り、2011(平成23)年3月まで北陸地区で活躍を続けた。
●715系バリエーション一覧
JR東日本の715系。特徴的な583系の断面に運転台をくっつけた、「食パン」タイプ。
(写真:東北本線 福島駅/撮影:電車の背景写真様 禁転載)
九州の715系(旧塗装)。こちらは581系・583系の面影を残している。東北地区とベース色、及び前面の塗り分けは異なる。
(撮影:mgpc64様 禁転載)
国鉄時代の九州地域の715系。こちらは食パンタイプ。
(写真:長崎本線 諫早駅/撮影:mgpc64様 禁転載)
JR九州の715系(最終塗装)。ベースがクリーム色(アイボリー?)から白に変更され、帯は青色になった。
(撮影:雑学の博物館 禁転載)
●車内の様子
九州鉄道記念館(福岡県北九州市門司区)で保存されているクハネ581-8。クハ715-1に改造されていたもので、内装は715系当時のまま。
(撮影:裏辺金好)