E721系一般形電車/SAT721系/青い森703系/AB900系
主に東北本線と常磐線で運用されるE721系0番台。
(写真:東北本線 長町駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ・運用区間
デビュー年:2006(平成18)年(営業運転開始は翌年)保有会社:JR東日本、仙台空港鉄道(SAT721系)、青い森鉄道(青い森703系)、阿武隈急行(AB900系)
運行区間:東北本線、常磐線、仙山線、磐越西線、仙台空港アクセス線、青い森鉄道線、阿武隈急行線
●東北地区の主力車両として成長
JR東日本が仙台地区で運用している455系急行型電車などは、701系が大量投入された後も多くが残存しており、老朽化著しかったことから、車両の取替えが必要になっていた。一方、2007年3月の仙台空港鉄道の仙台空港線開業に伴う乗り入れ車両も必要になっていたことから、併せて新型車両を投入することになった。そこで開発されたのがE721系で、まずは455系の取替えを目的とした0番台と、仙台空港線(仙台空港鉄道)乗り入れのための500番台、及び仙台空港鉄道が導入するSAT721系が登場。それぞれ帯の色などが異なっているが、いずれも最高速度は120km/hで、2両編成が基本である。
床面を低くしたことで、仙台地区を走る車両としては珍しく、車両入り口へのステップを廃止しバリアフリー化を推進。車内はセミクロスシート(4人がけボックスシートとロングシート)を配置している。また、前面形状も701系を反省してかFRP製の凝ったものとなった。
2014(平成26)年3月からは、青い森鉄道が青い森703系として営業運転に投入。輸送力増強用にE721系をベースに2両編成×2本を登場させたもので、前照灯をHIDからLED(発光ダイオード)に変更。
さらに2016(平成28)年11月30日からは、仙台地区の719系置き換えのために1000番台が登場。4両固定編成となり、帯色は0番台で赤色であった部分を「さくら色」に変更しているのが特徴。また、前照灯を青い森703系同様にLEDとなっている。
2019(令和元)年7月1日からは、阿武隈急行でAB900系が運用を開始している。2両編成×10本=20両が登場予定で、アクセントカラーが5色設定。現在のところAB-1編成は薄藍色、AB-2編成は緑色、AB-3編成は黄色、AB-4編成が桃色、AB-5編成がオレンジ色となっているが、2022(令和4)年7月30日からAB-2編成はポケモンラッピング電車「阿武急 ラプラス&ラッキートレイン」となっている。
●バリエーション一覧
JR東日本のE721系500番台。仙台空港アクセス線へ直通し、専用の帯色となっている。
(写真:東北本線 長町駅/撮影:裏辺金好)
JR東日本のE721系1000番台。0番台と異なりアクセントカラーは「さくら色」。
(写真:東北本線 郡山駅/撮影:裏辺金好)
仙台空港鉄道が保有するSAT721系。コーポレートカラーであるブルーをベースに、オレンジのラインを巻く。
(写真:東北本線 南仙台駅/撮影:裏辺金好)
前照灯がLED化の上、ハイビーム、ロービーム、尾灯を分けて3灯となった青い森703系。
(写真:青い森鉄道線 八戸駅/撮影:リン)
編成ごとにアクセントカラーが異なる阿武隈急行のAB900系。
(写真:阿武隈急行線 瀬上駅/撮影:リン)
●車内の様子
仙台車両センター所属(※H23時点)のクモハE721−34の室内。500番台と異なり、荷物置き場がない。 (撮影:U-lineのA)
JR東日本のE721系500番台の車内。(撮影:裏辺金好)
JR東日本のE721系500番台のドア付近。(撮影:裏辺金好)
JR東日本のE721系500番台の運転台。(撮影:裏辺金好)