8000系特急形電車
2023年度から2回目のリニューアルが開始された8000系。外観は8600系と共通の配色としている。
(写真:特急しおかぜ・いしづち 予讃線 伊予西条〜石鎚山/撮影:リン)
●基本データ・運用区間
デビュー年:1992年(試作車)、1993年(量産車)保有会社;JR四国
最高速度:130km/h
使用列車:しおかぜ、いしづち
運行区間:予讃線、瀬戸大橋線(本四備讃線、宇野線)
●2度のリニューアルで長期使用が見込まれる主力特急
1990年頃まで非電化路線だらけだった四国地域だったが、国鉄末期より予讃線の電化が進み、高松・岡山から松山(正確には少し先の伊予市)までが電化区間となった。そこで、当該区間を走る特急に8000系電車特急を投入した。8000系は現在、「しおかぜ」(岡山〜松山)、「いしづち」(高松〜松山)に使用され、両列車は瀬戸大橋線と高松方面の予讃線が分岐する宇多津で、分割・併結し目的地へ向かう。さて、この車両は2000系気動車で採用された振り子式を採用し、曲線区間の多い予讃線の大幅なスピードアップに貢献している。また、試作車は最高時速160km/hを記録しているが、営業上は安全性の問題などから130km/hでの運転が限界であり、スピードアップはしたものの、それでも海岸線に沿って運転される予讃線では、四国山地を貫通する自動車道に負け気味で、有効な手が打てないのが現状である。
なお、2004(平成16)年10月より全編成に対し、リニューアルを開始。外観では塗装変更が主で(側面の色がオレンジ色だと指定席、濃い青色だと自由席)、車内ではパソコンテーブル設置、改良された腰掛けへ取り替え、木材・木目地の採用、室内に曲線の採用、禁煙部分の拡大及び喫煙ルームの設置等が行われている。
2016(平成28)年3月改正からは、フルラッピング列車として「アンパンマン列車」が登場。L3編成とS3編成で、特に1号車である8003の普通席はアンパンマンシートになっている。
2023(令和5)年度からは全編成に対し、2回目のリニューアルを開始。外観は8600系に準じ、瀬戸内の温暖な気候と愛媛の柑橘を表した「シャインオレンジ」、香川のオリーブを表した「フレッシュグリーン」をアクセントカラーとして配色。また、車内は座席を刷新し、グリーン車と指定席は全席、普通車は壁側にコンセントを設置。照明はLEDによる間接照明に変更したほか、全トイレの洋式化、車いすフリースペース設置(5号車)を設置。
また、機器類については東洋電機製のIGBTとSICのハイブリッドのVVVFインバータ制御装置に更新されている。リニューアル工事は2027年度に終了する予定である。
●車内の様子
1回目リニューアル後の普通車車内。写真はアンパンマン列車で、天井にキャラクターたちが描かれている。
(撮影:裏辺金好)
●登場時の塗装
登場時の8000系の塗装。
(写真:特急しおかぜ 予讃線 坂出駅/撮影:裏辺金好)
登場時の8000系の塗装。こちらは貫通型先頭車。
(写真:特急いしづち 予讃線 高松駅/撮影:裏辺金好)
●リニューアル(1回目)の塗装
リニューアルされて塗装も大幅に変更された8000系。座席種別に塗装が異なり、指定席車がオレンジ色、グリーン車が赤色、自由席車が青色となっている。
(写真:特急いしづち 予讃線 高松駅/撮影:リン)
グリーン車は窓周りが赤色となっている。
(写真:予讃線 松山駅/撮影:裏辺金好)
リニューアルされた8000系の貫通型先頭車。
(写真:特急しおかぜ 瀬戸大橋線 大元駅/撮影:リン)
2010年(平成22)年に登場した愛媛県の農林水産物を描いた「愛・トレイン」。
(写真:特急いしづち 予讃線 高松駅/撮影:リン)
NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」ラッピング車。
(1枚目写真:特急しおかぜ 瀬戸大橋線 岡山駅/撮影:リン)
(2枚目写真:特急しおかぜ 瀬戸大橋線 備中箕島〜妹尾/撮影:リン)
リニューアルを記念し、大阪駅で公開されたときの姿。681系とも顔合わせ。
(写真:大阪駅/撮影:Zenigata)
●アンパンマン列車
2016年3月改正で運転を開始した特急「しおかぜ」用「アンパンマン列車」。従来の2000系に代わり登場。
(写真1枚目:予讃線 讃岐塩屋駅/撮影:リン)
(写真2枚目:宇野線 妹尾〜備中簑島/撮影:リン)
●台湾鉄路EMU800形デザイン
2017(平成29)年3月30日から2018(平成30)年2月28日まで運転された、台湾鉄路管理局EMU800形電車デザインの車両。JR四国と台湾鉄路の友好鉄道協定の締結1周年を記念したもの。
(写真1枚目:予讃線 端岡〜鬼無、写真2枚目:予讃線 讃岐塩屋駅/撮影:リン)