叡山電鉄700系
順次リニューアルが進められている700系のうち、2018(平成30)年3月に登場した732号改造の「ひえい」は、前面の楕円形リングなど大規模改造が実施されている。
(写真:叡山本線 元田中駅/撮影:リン)
●基本データ
デビュー年:1987(昭和57)年運行区間:叡山本線、鞍馬線
●大きな前面窓が特徴
叡山電鉄初の冷房装置搭載・ワンマン運転対応の車両で、デオ710形は自社のデナ21形の足回りを、デオ720形は自社のデオ200形の足回りを、デオ730形は京阪1800系(2代目)の足回りを流用して新造車体と組み合わせたもの。そのため、当初はデオ710形、デオ720形は吊り掛け駆動方式であったが、現在は更新されて新性能化されている。2005(平成17)年から2011(平成23)年にかけて塗装変更が行われ、クリーム色の車体をベースに山をイメージした緑帯、もみじをイメージした赤帯、川をイメージした青帯、新緑をイメージした黄緑帯の車両が2両ずつ登場。
2015(平成27)年には731号が開業時に使用されたデナ1形を模して深緑色に塗装変更され、「ノスタルジック731」として運転されている。
また、2018(平成30)年3月21日からは732号が観光用車両「ひえい」として改装されて運転を開始。前面は楕円形のリングを上下にかけて設置し、側面窓を楕円にするという大胆なデザインに改装され、「比叡山」と「鞍馬山」の持つ荘厳で神聖な空気感や深淵な歴史、木漏れ日や静寂な空間から感じる大地の気やパワーなど、「神秘的な雰囲気」や「時空を超えたダイナミズム」を表現。
車内は叡山電鉄初のLEDダウンライトを採用し、座席は側柱を利用したヘッドレスト付きのロングシート(バケットタイプ)に改装されている。
「ひえい」は、火曜日を除き叡山本線の出町柳〜八瀬比叡山口間で毎日運転。特別料金は不要。
●観光用車両「ひえい」
前面の楕円形リングが強烈なインパクトを与える「ひえい」。
(写真1枚目:叡山本線 宝ヶ池駅/撮影:ネオン)
(写真2枚目:叡山本線 八瀬比叡山口駅/撮影:ネオン)
「ひえい」の車内
(撮影:ネオン)
●カラーバリエーション
711号と721号は山をイメージした緑帯の塗装。
(写真:叡山本線 元田中〜出町柳/撮影:リン)
711号は2023(令和5)年11月にリニューアルされ、車体前面強化、前面下部覆い設置、車内のリニューアルとバリアフリー対応等を実施。比叡山の神秘的な森を表現した深みのある緑色に塗装変更されている。
(写真:叡山本線 出町柳〜元田中/撮影:鐵)
712号は、2019(平成31)年3月31日〜2020(令和2)年3月まで三陸鉄道のカラーリングに。運転開始当初は、三陸鉄道リアス線開通記念ヘッドマークも掲出。後に「がんばれ!三陸鉄道」ヘッドマークを掲出。
(写真1枚目:叡山本線 宝ヶ池駅/撮影:ネオン)
(写真2枚目:叡山本線 出町柳〜元田中/撮影:リン)
722号は2019(平成31)年にリニューアルされ、車体前面強化、前面下部覆い設置、車内のリニューアルとバリアフリー対応等を実施。沿線の神社仏閣をイメージした朱色を基調とした塗装に変更されている。
(写真:叡山本線 元田中駅/撮影:リン)
723号と、後に「ひえい」に改造された732号はは新緑をイメージした黄緑帯の塗装だった。なお、ロゴマークの位置が2枚の写真で異なっているが、これは2014(平成26)年頃に「EIDEN」から「えいでん」に変更したもの。
(写真1枚目:叡山本線 一乗寺駅/撮影:裏辺金好)
(写真2枚目:叡山本線 元田中駅/撮影:リン)
724号と732号は、川をイメージした青帯の塗装。
(写真:叡山本線 八瀬比叡山口駅/撮影:ネオン)
731号は2015(平成27)年9月に、叡山電車開業90年を記念して叡山本線開業当時に運行していたデナ1形車両をイメージし、緑一色の外観塗装と木目を基調とした車内装飾とした「ノスタルジック731」に改装。2024(令和6)年2月にリニューアルされ、一灯式前照灯を車両前面に配置したほか、塗装をマット塗色風の質感に変更され、愛称を「ノスタルジック731 改」としている。
(写真:叡山本線 出町柳〜元田中/撮影:鐵)
アイボリーとマルーンの旧塗装。
(写真:叡山本線 出町柳駅/撮影:裏辺金好)