阪急電鉄9300系


前面方向「幕」を装備した新製車両は、これで最後となるか?
(写真:淡路駅/撮影:うめ吉)

●基本データ

デビュー年:2003(平成15)年
主な運行区間:京都本線

●京都線用の次世代電車

 2003年10月に阪急電鉄としては6年ぶり、京都線用特急車両としては28年ぶりに製造が開始された系列で、全11編成が登場。

 従来のアルナ工機から日立製作所笠戸工場での製造となり、快適な車内空間の提供や優れたサービス機器の導入、そして高齢者や移動制約者に対するバリアフリー性の向上をコンセプトに開発・設計されたものである。車体構造はアルミダブルスキンを採用している。

 外観面では、前面が5000系リニューアル車と同様の設計で前面後退角度の拡大と、額縁形状を採用している。さらに、屋上をすっきり見せる為に、列車無線アンテナ・空調装備等の屋上機器の側面にもカバーを設置し、屋根肩部と共にアイボリーに塗装されている。また側面は3扉で、扉間にはUVカットの複層ガラスを使用した大型連続窓を採用し、デザインの統一感をもたせた。

 車内は、運転台後部と京都寄りの車端部にロングシートを採用し、それ以外は全車転換クロスシートでシート色・木目調のデコラの内装等、外装のマルーン色と共に阪急の伝統を継承したスタイルになっている。

 また、主制御装置はVVVFインバータ方式、シングルアームパンタグラフの採用など、これからの阪急の新しいスタンダードとなる車両である。編成は8両が基本。

 2024(令和6)年7月21日からは6編成に対し、大阪方から4両目を座席指定サービス「PRiVACE」車両に変更し、いずれも新造した2300系を組み込んでいる。

●車内


最近見られる車両のデザインと見せかけ、実は阪急デザインにこだわっているのが特徴。
(撮影:うめ吉)

運転台後ろのロングシート。
(撮影:うめ吉)

運転台。
(撮影:うめ吉)

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