近畿日本鉄道12000系


12000系は現存しないが、写真の12200系など派生系列は活躍中である。
(写真:近鉄名古屋線 米野駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1967(昭和42)年
主な元運転区間:難波線、大阪線、名古屋線、山田線、鳥羽線

●名阪特急のテコ入れを図った車両

 12000系は東海道新幹線開業によって大打撃をこうむった名阪特急の再活性化を狙って開発された車両で、愛称はスナックカー。需要を考えて2両編成としたが、名古屋都ホテル(現在は廃業)がスナックコーナーを担当して新たなサービスを提供。先頭部のデザインを一新し、丸みを帯びた形状とするなど、利用客を取り戻すために様々な施策が盛り込まれた。

 のち、スナックコーナーは営業を取りやめ、1983年に車体を更新。前面特急標識を30000系と同様の方向幕一体型とし、側面方向幕設置に、塗装も明るくするなど外観面の変更も多く行われたが、老朽化に伴い2000(平成12)年までに全車が廃車となった。

 1969(昭和44)年にはマイナーチェンジ車として12200系が登場。側面方向幕の設置、ディスクブレーキ採用やスナックコーナー拡大等の仕様変更が行われた。こちらも後にスナックコーナー営業取りやめ(一部は当初から客席化)が行われ、車体更新も受けている。なお、166両と大量製造されている。

 15200系団体専用列車「あおぞらII」、15400系クラブツーリズム主催ツアー専用列車「かぎろひ」へ改造された編成が存在するほか、2000年代に入ると廃車が急速に進行。名阪特急に80000系特急「ひのとり」が投入されたことに伴い、2021(令和3)年2月12日を最後に定期運用を離脱した。

●車内の様子など


12200系の車内。更新後の車内で、天井照明が間接式に変更されている。
(撮影:裏辺金好)

12200系の行先方向幕。
(撮影:裏辺金好)

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