近畿日本鉄道20000系
登場時の塗装
(写真:名古屋線 近鉄八田駅/撮影:ネオン)
●基本データ
デビュー年:1990(平成2)年主な運転区間:大阪線、名古屋線など
●「楽」な旅を提供する団体用車両
団体列車用として運用されてきた20100系「あおぞら」が引退することに伴い、18200系が後継として登場していたが、団体旅行ニーズの多様化による、さらなる高品質なサービスを提供するため、新たな団体列車用車両として4両編成1本が製造されたのが本系列である。愛称は「楽」。Romantic Journey、Artistic Sophistication、Kind Hospitality、Unbelievable の頭文字をとったもの。書家・榊莫山氏による「楽」シンボルマーク、VISTA CARマークを側面に配している。編成は、先頭車が2階建て車両で運転席付近は階段状の前面展望席としたもの。中間車はハイデッカー構造としている。また、車体形状は車両限界の中で取れる最大サイズとし、特に2階建て部分ではとかく圧迫感を出しがちなものだが、広々とした車内空間を実現している。また、先頭車の連結寄りには多目的サロンを設置し、テーブル、L字形のソファシートを設置。近鉄ホームページによると「幹事さんの控え室や、簡易な救急介護ベットとしても利用できるフリースペース」とのことである。
2020(令和2)年には製造から30年を迎えたことから大幅なリニューアルを実施。デザインコンセプトは「地のにぎわい」で、大阪、奈良、京都、伊勢志摩、名古屋の沿線5地域の魅力を日本の伝統色と和柄により、外装や座席など車両全体に表現。塗装は日本で古来より使用されている漆の色をモチーフとした「漆メタリック」で、「地のにぎわい」を表現する5種類の色柄をアクセントに加えている。
また、内装面では両先頭車両に、見晴らしのよいパノラマビューが楽しめるフリースペース「楽 VISTAスポット」、また階下室には靴を脱いでご利用いただける天然木のフローリングとしたフリースペースを設けているのが特徴。
営業最高速度は120km/hで30000系などの特急車両と性能をほぼ合わせ、標準軌の路線は基本的にどこでも走行可能。
●リニューアル後の姿
まるで阪急?日本で古来より使用されている漆の色をモチーフとした「漆メタリック」に塗られた現在の姿。
(写真:山田線 明野駅/撮影:ネオン)