長野電鉄600系
上田交通時代のモハ611。この車両は長野電鉄時代のままの姿。
(写真:上田交通 上田原車庫/撮影:1980年代国鉄撮影雑記)
●基本データ
デビュー年:1927(昭和2)年元運行区間:山ノ内線(現在の長野線 信濃中野〜湯田中)、上田交通
●長野電鉄に里帰り、現在でも保存車両として姿を見られる
川崎造船兵庫工場で4両が製造。木造車両全盛の中で珍しい全鋼製車両であったのが特徴。当初はデハ351〜354を名乗ったが、1953年の改番でモハ601〜604と変更。さらに単行で使用されるモハ603、モハ604は1966年に611、612に改番された。
主に、かつての山ノ内線(現在の信濃中野〜湯田中)の線内折り返し運用などに従事し、1980(昭和55)年に全車が廃車。一部が同じ長野県内の上田交通(現、上田電鉄)に譲渡されて、昇圧まで短期間活躍した。1986(昭和61)年、モハ604(モハ612)が保存のために長野電鉄に戻され、小布施駅構内の「ながでん電車の広場」で保存されていた。
ところが、2012(平成24)年3月にほかの保存車両とともに屋代線廃止直後の信濃川田駅に移設。その動向が注目されていたが、幸いにも2014(平成26)年10月に安曇野ちひろ美術館(長野県松川村)の「トットちゃん広場」にてデハニ201とともに再保存されることになった。
●現在の様子
トットちゃん広場で再保存されたモハ604。黒柳徹子の『窓ぎわのトットちゃん』に登場する「電車の教室」が再現されている。
(写真:安曇野ちひろ美術館/撮影:リン)
●ながでん電車の広場での様子
登場時のマルーン色に戻されて「ながでん電車の広場」で保存。しかし、これでは前面を見ることが厳しい。
(写真:長野線 小布施駅/撮影:裏辺金好)
車内を見ることが可能だった。
(撮影:喜多見枝幸)