南海電鉄10000系


(写真:南海本線 貝塚駅/撮影:デューク)

●基本データ

デビュー年:1985(昭和60)年
運行区間:南海本線、和歌山港線

●「サザン」運用に就くビジネス色が強い特急車両

 大阪の難波と和歌山県の和歌山市・和歌山港を結ぶ特急「サザン」の座席指定車に使用される車両。同時期に登場した9000系とは異なり、7000系・7100系との併結を行う10000系は性能などを合わせるために界磁チョッパ制御とはならず抵抗制御となった。また併結運転を行うのを前提に製造されたため、ほぼ同時期に製造された高野線の特急車である30000系とは異なり前面貫通路を設けているのも特徴である。

 登場当初の10000系は2両編成であったが、利用者の増加により1992(平成4)年には中間車の増備と先頭車化改造によって4両編成となり、その際に2両編成時代はアイボリーに緑のラインを巻いていた塗装も現行のブルーとオレンジのニューカラーに変更された。2015(平成27)年6月からは、1編成がリバイバルカラーに復刻されて運転。

 なお、2011(平成23)年に後継車両である12000系が誕生したことにより、廃車が開始。2014(平成26)年9月27日にみさき公園内にオープンした「わくわく電車らんど」に、10005Fの和歌山側先頭車のカットボディが展示されている。

●カラーバリエーション


2015(平成27)年6月13日から、翌年3月まで運転される登場時の塗装。南海電鉄の前身となる阪堺鉄道の時代から数えて創業130周年の節目を迎えることを記念したもの。
(写真:南海本線 粉浜駅/撮影:リン)

2015(平成27)年4月29日〜6月28日まで運転された「妖怪ウォッチ」ラッピング車。
(写真:南海本線 新今宮駅/撮影:裏辺金好)

2019(令和元)年12月23日〜翌年10月まで運転される「HYDEサザン」。L'Arc〜en〜Cielのボーカルで「和歌山市ふるさと観光大使」のHYDEさんがデザインを監修し、和歌山市で開催された「HYDE ACOUSTIC CONCERT 2019Kミサ BIRTHDAY -WAKAYAMA-」のゴシックな雰囲気と、和歌山市の観光名所である友ヶ島のイメージを取り入れている。
(写真:南海本線 新今宮駅/撮影:リン)

●車内の様子


車内は全席がリクライニングシート。
(撮影:鐵)

1992(平成4)年に投入された2次車の座席。センターアームレストとインアームテーブル(肘掛内蔵テーブル)を装備。
(撮影:鐵)

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