相模鉄道10000系
12000系や20000系に準じたYOKOHAMA NAVYBLUEとなった新塗装。
(写真:相鉄本線 さがみ野駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:2002(平成14)年運行区間:相鉄本線、いずみ野線
●E231系ベースの通勤電車
車両系列番号はついに10000の大台へ。10両編成×3本、8両編成×5本が投入された相鉄の通勤電車で、東急車輛製造(現・総合車両製作所)及びJR東日本の新津車両製作所(現・総合車両製作所新津事業所)で製造された。近年、大手私鉄各社では車両調達コストの削減などを目的とし、通勤型電車の基本設計を他社と同一にする傾向にあるが、相模鉄道の10000系はその先駆けともいえる系列である。JR東日本のE231系をベースにした車両であり、前面デザインを変更した以外はほぼ同一(ただし車体幅は、オリジナルより車幅が20mm短い)。のち、東急5000系や都営地下鉄10-300形などもE231系をベースとしているため、これらの車両とも兄弟分とも言える。
意外にも相模鉄道では初めてのステンレス車体の車両で、種別・行先表示に英文・ローマ字表記を付加したのも初。また、登場時のラインカラーは、新6000系のイメージを踏襲している。2007(平成19)年から2009(平成21)年にかけては相鉄のグループカラーとして制定された「相鉄ブルー」と「相鉄オレンジ」のラインに塗装変更された。
2020(令和2)年には10701編成がJR東日本長野総合車両センターで機器更新を行った後、かしわ台車両センターでYOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマネイビーブルー)へ塗装変更。さらに11000系に準じた前面上部にライトを集約したデザインへ改造されたほか、種別・行先表示をフルカラーLED化。さらに座席はグレーを基調としたものへ変更され、つり革も相鉄独自の卵形に変更されている。
一方で2021(令和3)年に機器更新された10002編成は、車内のリニューアルが省略されたほか、YOKOHAMA NAVYBLUE化されずに運用に復帰。前面デザインのみ11000系のようなスタイルに変更された形である。
●車内の様子など
リニューアル前の車内。基本的なスタイルはJR東日本のE231系に準じており、モケットの色は赤としている。
(撮影:裏辺金好)
リニューアル前の車内。こちらは優先席付近。
(撮影:裏辺金好)
リニューアル後の10000系。11000系に準じた前照灯、尾灯、種別・行先表示に改造されている。
(撮影:裏辺金好)
●カラーバリエーション
登場時塗装+旧相鉄グループのロゴマーク。
(写真:相鉄本線 星川駅/撮影:デューク)
こちらは旧塗装+現行の相鉄グループのロゴマーク。
(写真:相鉄本線 星川駅/撮影:裏辺金好)
2024(令和6)年5月から11月に運転された「懐かしの若草版」ラッピング列車。先頭部の一部を登場時の姿に復刻し、ロゴマークは旧ロゴ(横浜方)と新ロゴ(海老名方)を再現。
(写真:相鉄本線 星川駅/撮影:裏辺金好)
YOKOHAMA NAVYBLUE化される前の10000系新塗装。
(写真:相鉄本線 二俣川〜鶴ヶ峰/撮影:裏辺金好)
2021(令和3)年に機器更新された10002編成は、前面の灯具類や行先表示器などが11000系のような姿になったが、車内のリニューアルが省略されたほか、YOKOHAMA NAVYBLUE化されずに運用に復帰。
(写真:相鉄本線 三ツ境駅/撮影:裏辺金好)
2014(平成26)年に運転された「帰ってきたウルトラヒーロー号」。
(写真:相鉄本線 和田町駅/撮影:裏辺金好)
2024(令和6)年5月から11月に運転された「往年の赤帯版」ラッピング列車。先頭部の一部を10000系が赤帯で登場していたらというイメージでラッピングしたもので、「走るウルトラヒーロー号」に近い雰囲気。
(写真:相鉄本線 星川駅/撮影:裏辺金好)
2007(平成19)年に運転された「走る横濱写真館」ラッピング車両。ベースとなったのは新塗装の10000系。
(写真:相鉄本線 星川駅/撮影:FNP2000様)