東武鉄道5700系
登場時の姿に復元されたモハ5701号。猫ひげの愛称もうなづける前面形状である。
(写真:東武博物館/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1951(昭和26)年元、運行区間:伊勢崎線、日光線、鬼怒川線など
●東武鉄道の元祖ロマンスカー
日光、鬼怒川線用の特急形車両として登場で、1953(昭和28)年に増備された車両と併せて、6編成12両が誕生した。当時は浅草と日光を2時間17分で結び、非貫通型の先頭車両は、猫ひげと呼ばれて親しまれ、蛍光灯による明るい車内は、完成試運転時に、5700系の乗務員が浅草駅に到着して下車するや、ホームの暗さにしばらく歩けなかったとのエピソードも残る。ところが、1700系が1956(昭和31)年に登場すると早々に特急運用を譲り、急行へと格下げ。さらに1720系が誕生した1960(昭和35)年には特徴的な先頭車は貫通型に改造され、猫ひげの顔つきが消滅。以後、主に伊勢崎線、日光線の急行、快速、団体列車用として活躍。1991(平成3)年7月20日に、さよなら運転が行われ引退。
その後、カットモデルとなったモハ5703号が東武博物館で保存され、さらに2009(平成21)年7月からは、5700系モハ5701号も東武博物館で公開され、こちらは登場時の姿に前面形状などが復元された。
●貫通型改造後の5700系
カットモデルとして、先頭部の乗務員室までが保存されている5700系モハ5703号。
(写真:東武博物館/撮影:裏辺金好)
●車内の様子(モハ5701号)
(写真:東武博物館/撮影:裏辺金好)