東武鉄道N100系
日光東照宮陽明門の胡粉をイメージした白い車体が特徴の特急「スペーシアX」。
(写真:伊勢崎線 とうきょうスカイツリー駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:2022(令和4)年 ※営業運転開始は翌年運行区間:伊勢崎線、日光線、鬼怒川線
●30年ぶりに刷新された日光・鬼怒川方面のフラッグシップ車両
N100系は、日光・鬼怒川方面の有料特急「けごん」・「きぬ」として活躍する、100系「スペーシア」に代わる新たなフラッグシップ車両として東武鉄道が投入した車両で、愛称は「スペーシアX」(列車名も同じ)。6両編成×2本が2022(令和4)年に日立製作所笠戸事業所で製造され、2023(令和5)年7月15日から運転を開始。2024年度に2本が増備される予定である。車体は日光東照宮「陽明門」に塗られた「胡粉(ごふん)」をイメージした陶磁器のような白いカラーリングで、窓枠に江戸文化の組子や竹編み細工を現代的に取り入れ、伝統と革新を感じさせるエクステリアとしている。また、ヘッドライトとテールライトには合計39個のLEDを採用し、ドットで構成されたライトの点灯数を換えることで、ロービームとハイビームに切り替えることが可能である。
車内は全6種類の座席が用意され、
1号車…コックピットラウンジ。「日光金谷ホテル」や大使館別荘などをモチーフにしたデザインで、4人、2人、1人掛けの各種ソファーを用意。
2号車…プレミアムシート。1列3席(2席+1席)のシートで、東武鉄道初となる電動リクライニングやネックサポート式可動式枕、後部座席を気にすることなくリクライニングできるバックシェル構造が特徴。
3・4・5号車…スタンダードシート。1列4席の座席で、コンセントを設置。窓はシ ート1列に対して1つの個窓。
5号車の一部…ボックスシート。向かい合う2シートによる半個室で、パーティションにより周囲を遮っている。
6号車の後半分…コンパートメント。100系「スペーシア」にも設置されている個室を改良したもので、コの字型ソファーと可変テーブルを設えているほか、赤と茶色を基調とした歌舞伎的な色彩の壁も特徴。
6号車の前半分…コックピットスイート。「スペーシアX」最上級の座席で、私鉄特急最大の11uの個室を最大7名まで利用可能。
となっている。また、1号車の2号車側には、クラフトビール「Nikko Brewing」や、クラフトコーヒー「日光珈琲」のほか、日光ゆかりのスイーツなどを販売するカフェカウンターが設置されている。
車体はアルミニウム合金製で、システム面ではハイブリッドSiCを採用したVVVFインバータ制御装置を採用しているほか、車両情報制御装置 (T-TICS) を二重系統で搭載。最高速度は120 km/hである。
●車内の様子
1号車の「コックピットスイート」
(撮影:裏辺金好)
2号車のプレミアムシート。
(撮影:リン)
3〜5号車のスタンダードシート
(撮影:リン)
5号車の一部に設けられた簡易コンパートメントの「ボックスシート」。
(撮影:裏辺金好)
6号車に設置されている定員4人の「コンパートメント」。
(撮影:裏辺金好)
(撮影:リン)
●形式写真
1号車:クハN100-6形
(写真:N102-6 東武日光駅/撮影:リン)
2号車:モハN100-5形
(写真:N102-5 東武日光駅/撮影:リン)
3号車:モハN100-4形
(写真:N102-4 東武日光駅/撮影:リン)
4号車:モハN100-3形
(写真:N102-3 東武日光駅/撮影:リン)
5号車:モハN100-2形
(写真:N102-2 東武日光駅/撮影:リン)
6号車:クハN100-1形
(写真:N102-1 東武日光駅/撮影:リン)
●愛称・行先表示器
28.6インチの液晶式で、交通電業社製のガラス一体型LCD表示器「彩 Vision」。動画を含め、多彩な演出が行われる。
(撮影:裏辺金好&リン ※以下すべて)
●細部など
(写真:東武日光線 東武日光駅/撮影:リン)
(写真:伊勢崎線 浅草駅/撮影:裏辺金好)
(撮影:裏辺金好)