1968(昭和43)年10月より、165系などの急行型電車で運転されてきた通称”大垣夜行”の大幅なサービス改善を狙い、愛称を与えられた上で1996(平成8)年3月改正で登場した列車。当時はJR東海の特急車両373系を使用し、同系列でも最大の編成となる9両編成で運用されていた。
下りの大垣行きは豊橋まで、上りの東京行きは全区間がそれぞれ全車指定席となっている(*2007年3月改正までは、下りの大垣行きは小田原まで、上りの東京行きは熱海まで全車指定席で、そこからは一部自由席だった)。なお、下りのムーンライトながらは、豊橋から始発列車の役割も負い、同駅からは全車自由席となる。また、名古屋では3両が分割されホームライナー豊橋、そして特急「伊那路」の運用に就くことになる。上りは全区間で9両編成で運転されている。
2007(平成19)年3月改正から、上りムーンライトながらの東京駅の到着時刻が変更。それまでの上りの4時42分から、5時5分となり、さすがに早すぎる到着時刻の修正が行われた。
ちなみに、快速列車であるため、新幹線や寝台列車よりも料金が安く、もちろん青春18切符でも乗車可能。そのため特に多客期には切符が入手困難になるほど人気が高く、多客期にはJR東日本の183系・189系特急型電車による「ムーンライトながら91号・92号」が増発運転されるほどだった。
しかしながら、全国的な夜行列車削減の波は「ムーンライトながら」にまで及び、2009(平成21)年3月改正で、JR東日本の183系・189系を使用する臨時列車化が行われた。これによって373系は運用から離脱。今後の運転本数の減少も懸念される。
(上写真:東海道本線 静岡駅/撮影:ロクマルサン)