夜行列車として名高い、現在の急行「能登」は、1975(昭和50)年3月10日に誕生した列車で、上越線経由で上野〜〜金沢で10系客車やスハ43系客車などを使用して運転を開始した(それ以前にも、東京〜金沢〜米原の列車として存在)。そして、1982(昭和57)年11月改正で上越新幹線開業に関連して信越本線経由に変更され、14系客車による運転となった。
さらに1993(平成5年)3月18日に特急白山の間合い運用としてJR西日本の489系(先頭車はボンネット型)が投入されて電車による運転に変更された。そのため、489系がその本領を発揮して碓氷峠を越えていたが、長野新幹線開業に伴い上越線経由に再び変更。同時に、特急「白山」廃止に伴い生じた余力を活かすため、ホームライナー古河3号、ホームライナー鴻巣3号にも投入され、JR西日本の車両がJR東日本単独の営業列車に使用されるという不思議な現象が発生した。
また、急行「能登」が489系化されたときは、白地にピンクとブルーラインの白山色に塗られていたが、特急「白山」廃止に伴い、順次国鉄色に変更された。このため、定期的に首都圏に顔を出す唯一のボンネット型車両、しかも国鉄色の車両として非常に人気の列車となり、さらにホームライナー鴻巣3号は、上野駅18時36分発のため、夏場は日が出ている間に撮影可能の貴重な列車であった。
しかし、489系の老朽化は否めず、2010(平成22)年3月改正で週末中心の臨時急行に変更されると共に、使用車両は新潟車両センターの485系6両編成になった。これによって、489系ボンネット車の定期運用は終焉を迎えた。そして、2012(平成24)年2月24日発車の運転を最後に臨時列車としての設定が無くなり、ついに終焉を迎えた。
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