特急 さざなみ 運転区間:東京・新宿〜館山・千倉
 特急「さざなみ」は1972(昭和47)年7月15日改正で、183系と共に登場した列車。
 ちなみにこの改正では、東京駅地下ホームの開業、総武本線東京〜両国の開業、両国〜津田沼の複々線化、外房線(房総東線より改称)蘇我〜安房鴨川電化という、房総半島の鉄道網にとって一大転機であり、183系投入&特急列車運転は、その目玉と言えるものでした。こうして、東京〜千倉・館山で「さざなみ」が運転を開始したのです。

 こうして、国鉄時代は急行の格上げなどで成長を続ける一方で、劇的な変化はなく、「わかしお」「あやめ」「すいごう」と共に183系特急網を形成していましたが、JR化後の1991(平成3)年3月改正で、成田空港へ向かう253系特急「成田エクスプレス」23往復が総武本線に一気に登場。

 こうなると、「わかしお」「さざなみ」を総武本線で走らせる余裕が無くなりますので、南側で並行して運転される京葉線経由で、安房鴨川へ向かうように変更。走り慣れた総武本線の東京〜千葉を去りました。その後、1993(平成5)年7月2日改正で255系が「さざなみ」に投入され、「ビューさざなみ」として運転を開始しますが、さらに10年以上も183系は走り続け、2004年(平成16)年10月改正で、ついに後継車両E257系に置き換えられ、京葉線を去りました。

 とは言ったものの、255系の不具合などもあり、その後もしばしば幕張車両センターの183系・189系C編成による183系による代走が見られ、結局、トレインマークや方向幕を再び準備。特に2008(平成20)年5月〜6月の特急「新宿さざなみ」は、当初よりC編成による運転が計画され、グリーン車も誇らしげに、ちょっとしたリバイバル運転状態でした。

 しなしながら、そのC編成も2009(平成21)年3月で全編成が廃車されてしまいました。
(上写真:京葉線 蘇我駅/撮影:裏辺金好)

「わかしお」同様に、休日を中心として新宿を発着する列車(新宿さざなみ)も引退まで存在していた。
(写真:中央本線 新宿駅/撮影:裏辺金好)

2008(平成20)年5月〜6月運転の、特急「新宿さざなみ」。特急シンボルマークこそ無いが、貫禄は十分。
(写真:総武本線 秋葉原駅/撮影:裏辺金好)

幕回し中に登場した、「ビーチインBOSOさざなみ」幕。平成2年以降の夏季に運転されていたもの。
(写真:京葉線 東京駅/撮影:デューク)

 総武本線時代の特急「さざなみ」。右側の横須賀線・総武線用サロ110も懐かしい姿。
(写真:総武本線 錦糸町駅/撮影:daikiti様)

 やや垂れ目の先頭車。
(写真:京葉線 舞浜駅/撮影:デューク)