三信鉄道によって開業し、1943(昭和18)年に国有化され飯田線の一部になる。開業当初は駅近くに集落があったのだが、ダムの建設に伴いその集落は水没し、駅だけが孤立してしまったという経緯を持つ。
駅は単式ホームの無人駅だが、驚くべきはその地形である。駅の両端はトンネルに挟まれ、ホームの裏はコンクリートで固められた土砂崩れ止めの絶壁、線路の向こう側は天竜川へと続く断崖と、とても厳しい立地にある駅である。駅の豊橋方に出口があり、そこからは細いけもの道が続く。
当然ながら自動車やバイクは通行できない。途中でふた手に分かれており、左へ行くと15分間山を登りつづけると田本集落へ、右へ行くと下り坂を下った先にある吊り橋を渡ると川田集落へたどりつく。
このように、厳しい立地と非常に悪いアクセスなどから、近年では秘境駅として注目されている。
(写真&本文:ロクマルサン)