広島電鉄被爆電車654号、広島市交通科学館で保存
6月下旬に廃車となった広島電鉄650形の654号ですが、7月21日よりアストラムライン長楽寺駅近くの広島市交通科学館で、屋外(野外)ではありますが永久的に展示される事になりました。展示形式は最後の走り姿そのままということで、内装や貼り紙・運賃箱等もそのまま展示されています。広島市交通科学館としては、初の実物鉄道車両展示となりますが、雨ざらしになってしまうのが不安。特に、同車の窓枠等は木造なので急速に劣化する可能性があります。ただし、対策を行う計画はあるようです。
(撮影:さくら電鉄様)
なんと軌道まで整備された手の入れよう。ここまで力を入れるのであれば、ぜひ上屋を付けていただきたいところです。もっとも、撮影するにはこの状態がベストですが。
ちなみに、この敷地の地下は全て新交通システム「アストラムライン」の車両基地だったりします。
晩年の姿。こうやってみると、保存は嬉しいものの、やはり鉄道車両は走ってこそ・・・という気もしないでもありません。
同時に休車となった653号。こちらも解体はされず、江波車庫で保管されており、場合によれば今後も運転されるかもしれません。
[参考]解説板より
広島電鉄650形路面電車(654号)[被爆電車] この650形電車(654号)は、昭和17年(1942年)10月に製造された広島電鉄オリジナルの電車です。昭和20年(1945年)8月6日の原爆により江波付近で大破しましたが、翌年の昭和21年(1946年)2月に復旧しました。その後低床化やワンマン化などの改造が施されながら平成18年(2006年)6月まで広島の街を走り続けてきました。 650形電車の主要諸元
○車体:半鋼製ボギー車 ○製造両数:5両 ○製造所:木南車輌
○自重:16.28t ○定員:80人(内座席32人) ○制御方式:直接制御
○全長×全幅×パンタグラフ折りたたみ高さ:12.38m×2.438m×3.839m