○九州新幹線鹿児島ルート、全線開業
 2011(平成23)年3月12日、JR九州の九州新幹線鹿児島ルートの博多〜新八代間が開業し、これによって博多〜鹿児島中央間の全線で新幹線の営業が開始されました。その開業初日の模様を見てまいりましたので、ご紹介します。なお、前日に発生した東日本大震災のため、開業に伴うイベントの大半は中止となり、静かな出発となりました。

 (解説&撮影:裏辺金好 *特記を除く)

鹿児島中央駅1番列車は、「さくら400号」博多行き。800系を使用しています。
行き先表示。新鳥栖など、新駅も開業しました。
式典こそなかったものの早朝にもかかわらず、まずまずの盛況ぶり。それでも首都圏に比べると人では遥かに少なく、非常に撮影はしやすい状況でした。
川内駅始発の「つばめ321号」が入線。この改正で「つばめ」は各駅停車タイプとなり、さらに熊本以南の本数は「さくら」に譲る形で激減。鹿児島中央駅では見る機会が大幅に減ることになりました。
折り返し、「つばめ328号」博多行きに変身。これが、鹿児島中央駅を発車する博多行き「つばめ」の1番列車です。
少数が設定された最速列車「みずほ」。この「みずほ600号」が鹿児島中央駅を出る、新大阪駅直通の一番列車です。
山陽−九州新幹線直通運用のために製造された、N700系7000番台・8000番台を使用する「みずほ」。愛称・行き先表示はこのような感じです。

山陽新幹線内でも停車駅が絞り込まれ、速達性重視であることがよくわかります。

そして「みずほ600号」が発車。まったく式典は開催されませんでしたが、それでも地元の商工会らしき方々による「バンザイ!」の掛け声が開業ムードを盛り上げてくれました。待ちに待った九州新幹線鹿児島ルートの全線開業、日本全国で大いに祝える環境であったら、どんなに良かったことでしょうか。

新下関行きの「さくら402号」。

こちらが愛称・行き先表示。

N700系を使用した、鹿児島中央行きの「つばめ323号」が入線。

こちらが愛称・行き先表示。こうやって見ると、愛称表示に使われる基本的な色のパターンは東海道・山陽新幹線の「のぞみ」「ひかり」「こだま」に準じていることがわかります。

改札内では観光客をお出迎え。ちょっと気恥ずかしい・・・(笑)。

 在来線では、本日より787系を使用した特急「川内エクスプレス」が運転を開始。485系で運行されていた「さわやかライナー」・「ホームライナー」を格上げし、1往復が誕生したもの。
 久しぶりに鹿児島中央〜川内間で特急が復活するとともに、787系も戻ってくることになり、在来線特急「つばめ」時代に近い雰囲気となりました。

愛称・行き先表示。

 特急「きりしま」にも787系が投入。しかし、本日は東日本関東大震災に伴う津波警報により鹿児島中央から東が運休。この787系も、そもまま車庫へ引き上げていきました。午後ぐらいからは運転再開したのでしょうか?
 なお、指宿枕崎線の観光特急「指宿のたまて箱」もデビューお預け。翌日から運転を開始しました。

新大阪行きの「さくら550号」(鹿児島中央から新大阪へ向かう「さくら」としては1番列車)。キャンセルが多かったのか、運転本数が多すぎるのか、すんなりと指定席を確保することができました。

グリーン車並の指定席。乗る前までは、どうも800系に比べると地味な雰囲気のN700系でしたが、この座席に座ると評価を一変せざるを得ません。

車内はところどころに木目調の素材を使用し、落ち着いた雰囲気。JR九州の列車にしては、やはり地味な感じではありますが・・・。

2面4線の構造である熊本駅の新幹線ホーム。

熊本止まりの800系「つばめ」が入線。

新800系を使用した鹿児島中央行きの「さくら」。

新たに誕生した熊本駅の新幹線改札口。非常に高級感のあふれる構造。

熊本駅の新幹線駅舎。ガラス張りのため、停車する800系新幹線が良く見えます。

久留米駅。

新鳥栖駅。

博多駅に到着した800系「つばめ」。

博多駅では愛称が一気に増えて賑やかな停車案内に。
(撮影:AC20kV-DC1500V)

現状では博多止まりの「さくら」も多いため、11番・12番ホームで九州新幹線−山陽新幹線の同一ホーム乗り換えが出来るように考慮されています。
(撮影:AC20kV-DC1500V)