ロ481号客車展示施設うえまち駅がオープン
2021(令和3)年4月17日にロ481号客車展示施設うえまち駅が高知県佐川町の上町地区にオープンしました。展示されている客車は、1906(明治39)年に鉄道作業局新橋工場(現在のJR東日本東京総合車両センター)で製造され、現存唯一の四輪木造二等客車であることから準鉄道文化財に指定されています。土讃線の須崎〜日下間などで活躍した後、1933(昭和8)年に佐川町出身で鉄道建設に尽力した元宮内大臣 田中光顕伯爵の功績をたたえ、鉄道省から佐川町へ寄贈。
その後は青山文庫(現在の佐川文庫庫舎)の隣で読書場として使用されてきましたが、老朽化に伴い1968(昭和43)年に国鉄へ返還され、多度津工場にて復元展示されていたものが、このたび里帰りしたものです。
(撮影:リン)
こちら側は再塗装されず?
戦時中の金属供出により車輪、板ばね台車が失われていましたが、多度津工場時代に明治期の車両の部品が流用されて復元されています。
車体を支える台枠は当時のもので、鉄道院作業所 新橋工場製を意味すると思われる「鐵作新橋 明治三十九」と刻まれたプレートが貼られています。
隣接する佐川文庫庫舎は、1886(明治19)年に須崎警察署、佐川分署として上町西方の山側に建築された疑洋風建築。1920(昭和5)年に西町に移築し、川田文庫・青山文庫として使われたのち、1978(昭和53)年に佐川町総合文化センター敷地内に民具館として移築。2010(平成22)年に現在地へ移築されています。