関水金属鶴ヶ丘新工場と鶴ヶ丘児童公園に軽便鉄道が誕生
2024(令和6)年6月9日、鉄道模型メーカーである関水金属(KATO)が埼玉県鶴ヶ島市に整備した新工場の緑地とと鶴ヶ丘児童公園が「イングリッシュ・ナチュラル・ガーデン」として一体的に整備され、機関庫及び軌間762mmと610mmの2種の軌道が敷設された三線軌条(デュアルゲージ)のナローゲージ保存鉄道「KATO Railway Park・関水本線」が誕生しました。かつて西武山口線で活躍したコッペル532号機、34号車(旧井笠鉄道ホハ10)をはじめ、全国から集められた貴重な車両のほか、2023年に新造した蒸気機関車EMESLETT(エメスレット)など様々な車両が運転されています。
(撮影:味野源次)
写真左の緑色の機関車が、1948(昭和23)年にベルギーのアングロ・フランコ・ベルジ社で製造され、台湾の台湾糖業公司の蒜頭糖廠(さんとうとうしょう)と野辺山SLランドで活躍。「OLIVER」の愛称が新たに与えられています。
また、写真右は1928(昭和3)年にドイツのオーレンシュタイン・ウント・コッペル社で製造され、台湾の台湾糖業公司の渓湖糖廠(けいことうしょう)と、西武鉄道の初代山口線(通称おとぎ電車)で活躍した532号蒸気機関車。さらに、その後ろは1921(大正10)年10月に内田鉄工で製造され、岡山県の井笠鉄道でホハ10、西武鉄道初代山口線で34号車として活躍した木造客車です。
「OLIVER」は灯油ボイラー用ディーゼル発電機を外しているため、発電機搭載の貨車が相棒として新造されています。富山市の三越(さんえつ)で製造されたもので、台湾のサトウキビ運搬貨車の車輪とメタル軸受け、連結器をベースに、台枠や車体は新造。車体はソルト(塩)を運ぶイギリスの専用貨車をモチーフにしています。
2023(令和5)年にRASS FACTORY NARITA(羅須地人鉄道協会)で製造されたオリジナルの蒸気機関車EMESLETT(エメスレット)「OSCAR(オスカー)」。イギリスのアンティークショップやオークションで集めた様々な部品が取り付けられています。
1954(昭和39)年に酒井工作所(現・酒井重工)で製造されたディーゼル機関車で、東海道本線辻堂駅前にあった関東特殊製鋼(通称:カントク)の専用線で社内車065号機として活躍後、野辺山SLランドで動態保存されていたもの。ここでは新たに、SHUNTER "BILLY"の愛称が与えられています。