岡山県美咲町〜片上鉄道保存会〜
  Katakami Railway Preservation association in Misaki Town , Okayama Prefecture

▼MAP

▼アクセス
1.JR岡山駅より宇野バス「美作線」の林野行に約1時間乗車し、「高下(こうげ)」バス停で、中鉄バス 津山駅方面行きのバスで「吉ヶ原」下車。ただし接続が悪いため、高下からタクシー利用がお勧め。
2.JR津山駅より中鉄バスで約40分 吉ケ原停留所下車
▼関連サイト
片上鉄道保存会
 岡山県美咲町に「柵原(やなはら)ふれあい鉱山公園」という、柵原鉱山の歴史と文化を学ぶことが出来る施設があります。
 その中に1991年(平成3年)6月に廃止された、同和鉱業片上鉄道の車両と駅舎を保存、そして動態運転を行うという、日本でも数少ない鉄道文化の保存と継承を目的にした施設があるのですが、1992(平成4)年に愛好者有志によって設立された片上鉄道保存会が、美咲町の委託を受けて運営しているもので、毎月第1日曜日に定期的な展示運転を実施し、約300mの路線を保存車両たちが走行するというもの。

 ただ単に、廃止になる鉄道の施設や車両の保存を訴えるだけでなく、実際にファンの方々が主体となって維持管理に取り組む日本では極めて珍しいもので、頭が下がる思いです。
(以上解説:裏辺金好/以下解説&撮影、リン)

 さて、上写真の吉ヶ原駅は公園の正面を飾る立派な駅舎。1931(昭和6)年の開業時からそのまま残っており、2006(平成18)年に県登録の有形文化財となりました。現在は保存運転に携わるボランティアの方の事務所として使用されています。

DD13&客車
 国鉄の入換用機関車だったDD13形を、本線での貨物列車牽引用に設計変更し、1965(昭和40)年に日本車輌で製造されたの。外観は一緒ですが、運転台の構造やインタークーラー付き過給器を装備して出力が増大している点などが違っています。
 客車は旧国鉄戦災車の台車と台枠を流用したオープンデッキ構造のホハフ2000形が2両、旧国鉄オハ35形を購入したホハフ3000形が1両それぞれ保存されています。

キハ303
 旧国鉄キハ41000形(のちキハ04形)キハ41071。1934(昭和9)年川崎車両で製造されたもので、同系列の2両しかない現存車両であり、唯一の自走可能なキハ04形。
 ※メモ…雨漏りやブレーキ系統の不具合などのため、現在一般客を乗せての走行は不可能とのこと。この日は試運転として昼の運転していない時間帯に1往復のみ走行。


キハ312
  こちらはキハ04形と基本設計は同一ながら、随所にオリジナル要素を加えて新製した車両。1953(昭和28)年、宇都宮車両が製造。最近は運転されていないのか、塗装が色あせているのが残念です。

キハ702
 1936(昭和11)年に川崎車両で製造された、旧国鉄キハ42014(のちキハ07 5)。鹿島鉄道のキハ601・602の引退後は現存唯一の自走可能なキハ07系で、正面6枚窓の流線型スタイルを維持しているのも国内で2両しかない貴重な車両です。

キハ702車内

モーターカー(KHR106A)
 片上鉄道で使用されていた作業車。元は新潟県の蒲原(かんばら)鉄道で使用されていたもので、同社最後の生き残りです。2008年3月をもって次の保存場所へと送られることになったそうです。


ワフ102
 旧国鉄ワフ22006。現在は本線と切り離されたところに保存されています。この他、走行可能な貨車としてトラ814を、走行不可能な貨車としてトム519、トラ840を保存しています。

キハ303+キハ702


駅長猫コトラ
吉ヶ原駅での保存運転の際、駅長として来訪者を迎えています。

柵原鉱山資料館
平成3年にその歴史に幕を下ろすまで、かつては東洋一の硫化鉄鉱山として栄えた柵原鉱山の歴史を展示。
鉱山で栄えたころの町を再現した実物大セットもあります。